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ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション

2月の発売からずいぶん経ちましたが、やっと感想をUPできました。思い入れがありすぎて文章にするのが難しい作品です。


SEE(スペシャル・エクステンデッド・エディション)とは、劇場版の「ロード・オブ・ザ・リング」に数十分もの未公開映像、キャストとスタッフのコメンタリー、そして特典ディスクを加えたDVDのことです。


劇場版では時間の関係で仕方なく省いたエピソードも、台詞を増やしたりまるまる新しいシーンを付け加えたりしたSEEでは思う存分に堪能できます。これによってストーリーやキャラクターが細やかに補完され、作品をより理解しやすくなっているのでオススメです。


本題の「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」Rotk SEEですが、正直な感想としては、前の2作品のSEEと比べると追加映像の重要度はいささか低い気がしました。前の2作品ではこれをカットしちゃいかんだろうと思ったシーンが少なからずあったのですが、今作ではそれが少ない。それは概して劇場版での完成度が高いということの表れでもあるのですが。


もちろん追加シーンの中には感動したシーンや物語を盛り上げたシーンもありましたが、正直蛇足だったシーンも見受けられたのが残念。このシーンを入れるのならもっと他に入れるべきエピソードがあるだろうにという思いを消すことはできませんでした。


じゃあRotK SEEはダメだったのか?というとまったくそんなことはなく、充分楽しめたのは事実なので「ロード・オブ・ザ・リング」のファンなら間違いなく買いです。


一番最初の感想はやっぱりこの人、ファラミアのシーンから。
RotK SEEでは思いのほかファラミア(デヴィッド・ウェナム/ウェンハム)のシーンが多くてファンとしては嬉しい限りでした。
TTT SEE(二つの塔)でも彼の人となりを知るうえで重要なシーンが追加されていたことを考えると、SEEを観るのと観ないとではファラミアという人物に対する評価はかなり分かれてくるのは間違いありません。ファラミアのことが少しでも気になる人はTTTとRotK両方のSEEを絶対観るべきです。


以下はRotK SEEに追加されたシーンの感想です。
具体的な内容に触れて書いているのでネタバレが嫌な方はお気をつけください。


 


 

●侵攻されるオスギリアス


オークに裏をかかれて奇襲されるオスギリアスのシーン。
ここではファラミアと腹心の部下のマドリルさん(豚オークの隊長に槍で殺されてしまうお方)の会話が見られてよかったです。マドリルさんのことはTTTから密かに好きだったので、劇場公開時、槍を突き刺されて死んだのが彼だと知って結構ショックでした。
追加シーンではないですが、ファラミアが剣を振るう姿はいつ見ても格好良い。目まぐるしく変わるカメラワークにもめげず、ファラミアの姿を追いかけてしまいます。


 

●魔法使いの弟子


「力の指輪をなぜミナス・ティリスに持ち帰らなかった」とデネソール(ジョン・ノーブル)に厳しく叱責されるもののデネソールの考えは間違っていると率直に言うファラミア。親子二人が激しく対立する姿が描かれます。


たとえ指輪を持ち帰ったとしても逆に身を滅ぼしてしまうとのファラミアの言葉は、指輪の魔力におびやかされ自分を失いそうになったフロドを真近で見てきたからこそ言えるもの。ボロミアを溺愛する父親にも怯まず毅然と意見するファラミアは本当に強い人です。


凛とした強さを見せてくれたファラミアとは反対に、弱さや衰えといったものを露呈したのがデネソール。激昂するあまり体勢を崩し、ファラミアの後ろに死んだボロミア(ショーン・ビーン)の幻想を見る彼の姿からは威厳は感じられず、ただ痛々しいだけ。ファラミアが咄嗟に手を差し伸べようとするも結局は手を取り合えないところに、この親子の深い溝を思い知らされます。ファラミアを失うということの恐ろしさを身をもって知ってはじめて愛情を確認したこの後のデネソールを思うと哀しい場面です。


チャートタイトルの「魔法使いの弟子」とはガンダルフを慕っているファラミアを指している言葉。デネソールにとって忠実だった(少なくともデネソールはそう思っていた)ボロミアと対比させて、デネソールがファラミアを厭うようになった原因のひとつを描いているシーンでもあるわけです。


二人の張りつめた空気が直に伝わってくるこのシーンは、ジョン・ノーブルとデヴィッド・ウェナムの真に迫る演技が見事だったと思います。デネソールの幻想で登場したボロミアにも不意を突かれて泣きそうになりました。まさか追加映像にも彼が出てくるとは。満面の笑顔で登場する幻想ボロミアに微妙な感想を抱いた人もいたようですが(笑)私は素直に嬉しかったです。


 

●城塞の衛兵ペレグリン


RotK SEEに追加された中で一番好きなシーンです。
デネソールに勢いで奉公することになったものの不安になるピピン(ビリー・ボイド)。そこへタイミングよく颯爽と登場した(笑)ファラミアがピピンに気さくに声をかけます。ピピンの着ているゴンドールの近衛服がファラミアのおさがりであることや、兄ボロミアと父デネソールへの誇りと憧憬などがファラミアから語られます。直前のシーンではデネソールと対立したファラミアも、本心では父親を尊敬し、愛していることが台詞と表情から伝わります。


このシーンで終始ピピンに向けるファラミアのやさしい笑顔が本当に素敵。TTTの劇場版ではフロドたちに対して冷たい表情しか見せなかったファラミアだけれど、実はこんなふうに微笑むことのできる人なんですよね。むしろこれが本来の彼なのでしょう。TTTでの鋭利な眼差しを向けるファラミアも格好良くて好きですが、やわらかな顔を浮かべる彼も腰砕けモノです。ぶっちゃけて言えばこれだけでもSEE買ってよかった!ってことです、はい。


ファラミアと初対面した時はじっと見られて顔を逸らしたピピンも、穏やかな表情を見せる彼にすっかり打ち解けます。デネソールやボロミアと自分を比較し、劣等感を見せるファラミアに対して、「あなたはまた違う強さをお持ちです」なんて以前のやんちゃなピピンからは想像できない言葉をかけてくれたり。人間とホビットの友情を感じさせる温かいシーンです。
またこのシーンを入れることによって、ピピンがまだ息のあるファラミアを死なせないように懸命に行動したことがつながってくるわけですね。


 

●大将と白の姫君


発売前に一番楽しみにしていたファラミアとエオウィン(ミランダ・オットー)のシーンはあっさりと描かれていてちょっと拍子抜け。 原作ではエオウィンを口説くファラミアと二人のキスシーンを拝めるのですが、映画ではばっさりカット。SEEで描かれるのは二人の出会いの瞬間と寄り添うシーンが少しだけです。


もちろんこの二人のシーンを丁寧に描いても、他のシーンと比べたらどうしたって浮いてしまうのは確実なので仕方ないというのもあります。他の仲間たちが黒門前の戦いに向かっているシーンに続いて二人の場面が挿入されているのですが、どうしても唐突に感じてしまうのは否めません。この二人のなれそめと惹かれあう過程をゆったりと描けるのも小説であればこそなんでしょう。


そうわかっていても残念だったのは出会いのシーン。
エオウィン姫にひとめぼれしたであろう瞬間のファラミアがどこまでも あ や し い 人 に し か 見 え ま せ ん
ファラミアが微妙な笑みを浮かべて窓際のエオウィンを遠くから見つめる姿はどう見てもストーカーチック。このシーンで流れるリヴ・タイラーの歌がきれいな分、どこかシュールな感覚さえ覚えてしまいます………。
………まあ、ピーター・ジャクソン監督にここまで求めるのは酷なのかも。アラゴルンとアルウェンのシーンを観る限り、PJは恋愛のシーンを不得意としているようですし、二人のシーンをSEEで観られただけでもよしとします。




ファラミアの追加シーンだけでこんなに長くなってしまった……。
エオウィン関連のシーンでは不満を述べましたが、全体的には満足の出来です。こんなにファラミアのシーンが追加されていたとは思わなかったので嬉しさも倍増でした。


 
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[エンタメ]ロード・オブ・ザ・リング | 12:46:10 | コメント(4) | ▲TOP
東劇でRotK SEEの上映を観てきました。
外の看板の上には大きな立体ゴラムが愛嬌たっぷりに顔を覗かせていて、東劇の意気込みが感じられます。
18:10の回で、途中で15分間の休憩を挟んで22時すぎに終わるという長時間の上映ですが、前のほうの席を除いてはかなりの席が埋まっていました。私は前のほうの席だったので大きなスクリーンを満喫できました。
SEEの上映を観に来るのは大体がLotRのコアなファン。終電に間に合わないためかエンドロールの途中で帰る人もちらほらいましたが、多くの人は上映が終わるまで席を立たなかったのも今回の上映の特徴かも。

SEEの内容そのものの感想はまた今度にするとして、今回は映画館鑑賞に絞った感想を。
おなじみの旋律とともに"The Lord of the Rings"のタイトルが浮き上がって映画が始まってからは物語にどっぷりと感情移入。それこそ指輪に取り憑かれたように夢中で映画館に通っていた(っていっても8回ですが)去年の頃を鮮明に思い出しました。

約一年ぶりに劇場で観たRotKですが、大スクリーン大音響の、テレビとは比べものにならなくらいの大迫力にこの映画の凄まじさをあらためて実感。
フィルムの質が悪いのか音がぶつ切れになったところもあったのですが、それでも家の小さなテレビで観ていたDVDの何倍も、いや何十倍もこの映画の力が倍増されていました。

その倍増されたもののひとつが、俳優陣の染み渡る声。
とくにサルマン(クリストファー・リー)、ファラミア(デヴィッド・ウェンハム)、デネソール(ジョン・ノーブル)の3人の声は劇場ではより魅力的に。
劇場でのサルマンの声はTTT SEEの上映の時に初めて聴いたのですが、あまりの声の深さにそれまで抱いていた彼のイメージがひっくり返されたほどです。要するに好きなキャラではなかったのですが、今ではサルマン様とお呼びしたくなります。
声に魔力があるという原作の設定にもぴったりですね。

映画を構成するすべての要素が映画館の迫力によって増幅したおかげで、DVDでは出なかった涙も感動の記憶とともにあふれ出しました。決して大げさではなく。
大好きなローハンの合戦シーンや、滅びの山でサムがフロドを背負うシーンでぐっと来て、最後はエンドロールの"Into the West"でじんわり。
また、ファラミアとデネソールのシーンや、ファラミアとピピンの会話、アラゴルンの癒しの手で回復するエオウィンなど、SEEの中でもお気に入りの追加映像を劇場で観ることができて感無量でした。ファラミアとエオウィンのシーンは大画面でよりこっぱずかしかったけれど(笑)

こうして思うのは、この映画は劇場で観るべきだということ。
こんなすごい映画にはそうそう出会えない。
今回の上映でRotKがどれだけ特別であるかを再認識。
いつまでSEEの上映をしてくれるのかわからないけれど、また近いうちに観に行こうと心に誓いました。



東劇のロビーでは、RotKのポスターや「Weeklyぴあ」のLotRアンケートの結果が貼り出されていたのですが、「旅の仲間以外の好きなキャラ」ランキングの1位がなんとファラミア。
ファンにとってはぴあのLotR特集は知っていて当然のものなんでしょうけれど、メルマガで知ってたはずなのにアンケートの存在をすっかり忘れていた自分としては嬉しさで小躍りしそうでした。やっぱりファラミアは人気者なのね。うひひ。
ちなみに2位はエオウィン、3位はセオデンでした。これも納得。

帰りにLotRのグッズを購入。
ゴンドールの白の木とエレスサールの王冠が印され、しおりの先に指輪が付いたブックカバーと、TTTのキャラ勢ぞろいの下敷きです。ブックカバーはずっとほしかったので嬉しい。さっそく原作の指輪物語にカバーをかけてみました。


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劇場版「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 SEE感想 その1(ファラミア語り)
[エンタメ]ロード・オブ・ザ・リング | 22:40:01 | コメント(11) | ▲TOP
監督 ピーター・ジャクソン
原作 J・R・R・トールキン
制作 ピーター・ジャクソン、バリー・M・オズボーン、フラン・ウォルシュ
脚本 ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン
出演 イライジャ・ウッド(フロド・バギンズ)、イアン・マッケラン(ガンダルフ)、ヴィゴ・モーテンセン(アラゴルン)、ショーン・アスティン(サム)、ビリー・ボイド(ピピン)、ドミニク・モナハン(メリー)、オーランド・ブルーム(レゴラス)、ジョン・リス=デイヴィス(ギムリ)、リヴ・タイラー (アルウェン)、ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)、ヒューゴ・ウィービング (エルロンド)、バーナード・ヒル(セオデン)、ミランダ・オットー(エオウィン)、デヴィッド・ウェナム/ウェンハム(ファラミア)、カール・アーバン(エオメル)、ジョン・ノーブル(デネソール)、アンディ・サーキス(ゴラム/スメアゴル)、イアン・ホルム(ビルボ)、ショーン・ビーン(ボロミア)

DVD「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(LotR/RotK) 
スペシャル・エクステンデッド・エディション(SEE)」が発売されてから
もう数週間が経ちますが、まだ本編の記事すら書いてないので
劇場版の感想を先に。SEEの感想はまた今度にします。

まずは私がこの作品にハマった経緯などを。
もともとRPGが好きな私は、ドラクエやFFといったゲームが
トールキンの「指輪物語」をオマージュして作られたのだと知っていました。
ゲームだけでなく、今あるファンタジーものの多くが「指輪物語」を
原点としているのでしょう。
ただ、たとえばドラクエ4で登場する「ホビット」が、
その指輪物語からの由来で、どんな特徴を持った種族かといったことは
知りませんでしたが。
そんなわけで指輪物語にも興味はあったのですが、
何せ3部作とかなりの長編なので読むのを躊躇していたわけですね。
そんなところにこの映画化。
当然観ようと思ったのですが、「原作から読んでおいたほうがいいんじゃないか」
というガンコな思いに囚われてしまい、それでも原作には手をつけられずにいたまま、
結局1作目も2作目も観逃すことに。

が、原作読んでからなんて言ってたらいつまで経っても観られないと気づき、
去年(2004年)の2月にテレビで放送された1作目(FotR)を鑑賞。
そこから吹っ切れたように、2作目「二つの塔」(TTT)をレンタルし、
ブックオフで原作の文庫本を購入して見事にLotRの魅力にハマってしまったのでした。
(ちなみに原作は映画RotKの後に読みました)
2作目まで映画館で観なかったことを悔やむかのように
RotKは映画館まで何度も足を運んだのもいい思い出です。


それでは本題です。まずはネタバレなしの感想。

●「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の魅力

3部作最後の作品、RotK。
私にとっては他の1、2作目よりもずっと思い入れが強い映画です。
それは映画館で観たのが「ロード・オブ・ザ・リング(LotR)」では
この3作目だけというのもあるのでしょう。
大きなスクリーンで重低音の効いた大音響の映画館で観るのと、
小さな画面でしょぼしょぼな音の家のテレビとではまったく印象が変わりますからね。
けれどRotKの良さは決してそれだけではないと思います。

まずこのシリーズが素晴らしいのは、映画では難しいファンタジーの世界を
リアルに実写化してみせたところです。
CGやビガチュア(巨大なミニチュア)、遠近法のトリックなど
最先端の技術と知恵を総動員し、原作の世界を手を抜かずに再現した
ピーター・ジャクソン監督の手腕には舌を巻きます。
そうして生み出された観る者を圧倒する映像の数々。
俳優陣の真に迫った演技によって実在するかのような生きたキャラクターたち。
映画史に残る超大作との評価に恥じない徹底した作りに、
CG技術だけ、役者の力量だけなど、どれか一方に偏ることなくいい映画を作ろうとする
監督、スタッフ、キャストなど制作に携わった方たちの情熱と誇りが伝わってきます。

RotKはこうしたすべての技術と環境を生かしたうえで、
3部作の完結編として1、2作目の物語の流れを一気に解放し、
より壮大で劇的なストーリーを前面に押し出したところに比類ない魅力が
あるのだと思います。


以下は劇場版のネタバレなので未見の方はご注意ください。


*******************************************************


●ホビットについて

この映画ではたくさんのキャラクターが登場しますが、
中でも面白いのはホビットの存在。
食べることとおしゃべりが大好きで、いたって平和でのんきな種族の
フロド、サム、メリー、ピピン。
そんな彼らも指輪をめぐる争いに巻き込まれ、物語の中で必死に生きていく
姿を見せてくれます。

心身ともに指輪の魔力に侵され傷つきながらも暗く険しい旅を続けるフロド。
そんなフロドに忠実に仕え、どんなに苦しい時でも彼をそばで支えるサム。
いつも一緒にいた仲良しのメリーとピピンは3作目では離れ離れになり、
メリーはローハン軍に従軍、ピピンはゴンドールの執政デネソールに奉公することに。
1作目は頼りなかった二人も、黒門前では勇敢な戦士として戦います。

苦しんでも諦めず、小さくても大きな勇気を見せてくれたホビットたちを
話の軸に置いたからこそ、この物語は素晴らしいのでしょう。
この映画の主題は、サブタイトルが「王の帰還」であっても
アラゴルンが王になる過程などではなく、ホビットたちの旅そのもの。
ホビットたちが戴冠式で跪かれるシーンはその象徴なのだと思います。
ただ主人公のフロドに関しては3部作すべてに渡って脚本が拙く感じられ、
彼の苦悩や原作での凛々しさをきちんと描けていなかったことが残念。
と言いつつ、それでも私はイライジャ演じるフロドは間違いなく主人公だと
言い張りますが。


●「血湧き肉躍る」戦闘シーン

私にとってこの映画の最大の魅力は兎にも角にもその戦闘シーン。
執拗で大胆なカメラワークによる勇壮かつ残酷な映像が
この物語をさらに盛り上げているのは疑いようもありません。
RotKの戦闘シーンもTTTのヘルム峡谷での戦いと同じだから
つまらないという意見もあるようですが、私はそうは思わない。
ミナス・ティリスでの激しい攻防、巨大投石器の迫力の応酬。
そして縦横無尽に人間を蹴散らしていく“じゅう”(オリファント)の恐ろしさ。
画面いっぱいに広がるダイナミックな映像はTTT以上だと確信しています。

一番好きなシーンはペレンノール野に集結したローハン軍が攻めこむシーン。
ミナス・ティリスの城塞はすでに陥落寸前、
そんな中でペレンノール野に響き渡る頼もしい角笛の音。
これぞ王!と言いたくなるようなセオデン王の鼓舞と「Death!」の鬨の声には
何度観てもゾクゾクしてしまう。
そしてオークの大軍へ突撃する時に再度吹かれる重厚で美しい角笛の音と
絶妙のタイミングでかかるローハンのテーマ。
あまりのロヒアリムの格好良さにしびれてしまいました。
2作目では少々頼りなかったローハンも名誉挽回です。ローハン万歳。


●音楽について

いい映画は音楽もいい。
サントラを買い、コンサートに行ってしまったほど、
この映画の音楽が好きです。
荘厳なミナス・ティリス、次から次へとつながる見事な烽火、
フロドとサムがついに辿り着いた滅びの山、相変わらず温かいホビット庄……。
どのシーンも音楽が映像を生かし、見事な臨場感でした。

その中でもとくに映像と音楽がうまく合い、より心に残ったシーンを。
ひとつは先ほど挙げたローハンのテーマ。
あそこでこの曲を流すなんてほとんど反則です。

ふたつめはデネソールの前で独唱するピピンの歌。
ビリー・ボイドの声があんなに綺麗なことに驚きました。
ファラミア率いる部隊が死を覚悟した特攻シーンと狂気のデネソールを
交互に映し、哀しく情感ある歌と馬の駆ける音が相まって、
非常に印象深いシーンになっていました。

みっつめは本編ではないのですが、エンディングのスタッフロールで流れる
アニー・レノックスの「Into the West」。
最初はささやくようにやわらかく、サビでは思いを込めて力強く。
西へ旅立つフロドをやさしく抱きしめるような歌詞も切ない。
感動のラストを飾るにふさわしいこの曲と一緒に、
登場人物たちのスケッチがスタッフロールに現われます。
フロドから始まって次々と登場する愛すべきキャラクターたちを見て
泣きそうになりました。
ファラミアの表情がやさしく微笑んでいたことと(本来はこういう人なんですよね)
最後にちゃんとボロミアもいたことが嬉しかったです。
このエンディングによって、「ロード・オブ・ザ・リング」という作品すべてが
終わったんだと実感。
映画の余韻に気持ちよく浸れるいいエンディングでした。

*******************************************************

不満も色々とあります。フロドとかフロドとかフロドとか。
けれどそれすら吹き飛ばすくらい勢いのあるこの映画を作ったピーター・ジャクソン監督、
すべてのスタッフ、キャスト陣に心からの賛辞を送りたいと思います。
本当に素晴らしい映画でした。
これからも何度も何度もDVDで観るつもりですが、
この映画は映画館で観るべき映画なのが嬉しくもあり、哀しくあり。
2月26日からのSEEの上映が最後の上映となってしまうのでしょうか。

ずっと映画館で観続けたい。
RotKはそんな映画です。


関連記事:
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 SEE上映
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 SEE感想 その1(ファラミア語り)
[エンタメ]ロード・オブ・ザ・リング | 23:19:21 | コメント(0) | ▲TOP
映画「ロード・オブ・ザ・リング」(LotR)の音楽を担当したハワード・ショアの
初来日記念で行われたコンサート(11日 PM6:00の回)に行って来ました。

ロード・オブ・ザ・リング シンフォニー」公式サイト(音が鳴るので注意)


●A席からS席に移動

チケットを購入した時すでに安いB席、C席が完売していたので
S席に次ぐA席を購入しましたが、一番高いS席(12000円)が
売れ残ってしまったからなのか、係員の方に誘導されS席で鑑賞することに
なってびっくりしました。こんなこともあるんですねー。

最初座るはずだったA席は一階左側、一番後ろの席だったのですが、
移動した席は一階、中央よりやや後ろの真ん中の席でかなり得した気分でした。
でも安いB席、C席の券で私と同じようにS席に移った方がいたようで
それを聞くとむしろ損した気に(笑)

しかし実際空席が目立っていて、私の前のほうの席はガラガラでしたね。
うーん、時期が悪かったのかな。
映画公開時か、DVD発売前後だったらもっと人が入っていたのかも。
鑑賞料金も高めですしね。
あと夏にもコンサートをやったのでもう行かなくていいやと思った人も
いたのかも。

ただし今回はあのハワード・ショア本人が指揮。
オーケストラもすでにモスクワ公演で好評を博した
「ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団」とのこと。
こんな経験も滅多にできないということで10000円奮発しましたが、
ネットでのファンの評価を見ると今回は夏のコンサートと違って質が
高かったそうで、思い切って行ってみてよかったです。


●公演の感想

こういうオーケストラのコンサートはほとんど行かないので緊張しましたが、
いざ演奏が始まってみるとLotRの世界に心地よく浸かることができて
大満足の公演でした。

第一楽章の“Concerning Hobbits”が演奏されると
感動で目頭が熱くなってしまったほど。
それまで会場にいてもコンサートに来たんだという実感が
湧かなかったんですが、この曲でスイッチが入ったような感じ。
ホビットの陽気さ、穏やかさが表れてほのぼのとしつつ切なくもある
メロディラインが好きな曲なんですが、生で聴くとまた違いますね。

第二楽章まで、LotR旅の仲間(FotR)の曲を終えた後は20分の休憩。
その後は二つの塔(TTT)から王の帰還(RotK)まで一気に演奏という
プログラムでした。

休憩の後の第三楽章で問題が発生。
いや、演奏は素晴らしかったですよ。そうじゃなくて客の問題。
休憩が20分で短かったからなのか、演奏が始まってからしばらくして
女の子が私のすぐ後ろに席を着いたんです。
なんとその子、他の人はみんな静かに演奏に聴き惚れているのに、
極力小さな声ではあったけれど普通に友達と喋って携帯をいじってる。

やめてくれ。

しかも私の好きな“The Riders of Rohan”が演奏されている時に限って
うるさくするなんて一体どういうことだ。
耳をすませて演奏を聴いていたいのに。
殺意が芽生えた瞬間でした………。
それでもうるさかったのはその時だけだったのが救いでしょうか。

TTTで印象的だったのは、今回のソリスト、ケイティ・ヌーナンが歌う
“Gollum's Song”(ゴラムの歌)。
柔らかかつ力強い、強弱をつけた伸びやかな歌声が美しく響き渡っていました。
個人的にはサントラ盤よりも好きかもしれない。

第5楽章、第6楽章は一番好きな王の帰還(RotK)。
どの曲もよかったのですが、少し残念だったのは“Minas Tirith”の途中まで
演奏しておきながらこの曲のサビとも言えるところを省いて
“The White Tree”に行ってしまったところですね。
映画RotKで飛蔭に乗ったガンダルフとピピンがミナス・ティリスの城塞を
駆けていくシーンでかかる曲です。
ぜひとも生で聴いてみたかったなぁ。
最後の“Into the West”はアニー・レノックスとは違い、女らしい、そして
ちょっとクセのある歌になっていました。
これでこのコンサートも終わってしまうんだと思うと感慨もひとしおでした。

コーラスについて。
この公演はオーケストラの他にソロやコーラスもふんだんに
取り入れられていますが、男声コーラスも女声コーラスも厚みがあって
気持ちいいくらい迫力満点でした。
ただ少年コーラス、特にソロに関してはやはりお金を払って聴くべきレベルの
ものではないなというのが正直な感想ですね。


不満が全くないわけではないですが全体的には素晴らしい公演でした。
演奏がすべて終わると前のほうの観客は立ち上がり、会場は拍手喝采の嵐。
私も拍手しながら心の中で「ブラボー!」と叫んでましたよ、はい。
一度、退場したハワード・ショアとケイティ・ヌーナンですが、拍手が鳴り止まず
何度もステージに戻ってきて苦笑していたのが面白かったです(笑)
本当にいい公演でした。とても貴重な経験になったと思います。

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帰宅してからテレビでTTT鑑賞。
やっぱりファラミアは格好良い。
そしてゴラムがとにかく哀れだ。


●RotK SEE 2月26日から映画館で上映決定!

公演でもらったチラシに書いてあったのですが
日本限定で上映されるそうです。
すごーく嬉しいのですが、追加される未公開映像が50分にも及ぶとかで
観るほうもこりゃ大変ですね~。
4時間以上ともなると、おしりは痛くなるしおなかはすくし足はむくむしで
下手すればエコノミークラス症候群になりかねません(;´Д`)
途中で休憩時間を設けてくれればいいんですけどね。
でも行く気満々には違いなく。
あのペレンノール野の戦いを映画館のスクリーンと大音響でまた観たい!



関連記事:
劇場版「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
[エンタメ]ロード・オブ・ザ・リング | 00:50:35 | コメント(0) | ▲TOP
「観たり聴いたり」さんのところで、ロードオブザリング王の帰還(RotK)
スペシャル・エクステンデッド・エディション(SEE)の予告編(未公開映像)が
公開されたと知り、早速観てみました。
以下は予告編の感想。原作の話もちょっと出てきます。



最初のシーンはアラゴルンがデネソールのパランティアを
見つけるところ。
他にも、彼が海賊船を眺めるシーンが。
アラゴルンがなぜ海賊船に乗ってペレンノール野に現れたのかも
SEEでは描かれるようです。
劇場公開版は「王の帰還」なんてタイトルのくせに王様アラゴルン率が
足りなかったので、SEEでは彼のシーンがたくさん見られそうですね。

さらにアイゼンガルドでガンダルフと対峙するサルマン。
この人のシーンは劇場版ではまるまるカットされていましたが、
SEEでは彼のその後がしっかり拝めます。

SEEで一番期待しているのがファラミアとエオウィンのシーン。
予告編でもばっちり出ていました。

た、確かに目が泳いでるよファラミア大将
そして終始エオウィンにやさしく微笑みかけてる…!
二つの塔(TTT)劇場版からは想像できない表情だよなぁ。
いろいろな顔を見せてくれる深い人だ。
そのファラミアを演じるデヴィッド・ウェンハムもすごいんですけどね。
エオウィンは愁いを帯びた横顔がとくに綺麗でした。

原作のこのシーンはちょっとクラシカルな雰囲気なんですが、
文章だからあのこっぱずかしい口説き文句も素敵にハマっていたんですよね。
でも実写にしたらまた違うイメージになるわけで。
二人がどう演じるのか楽しみです。

他には、劇場版予告編にもあったエオメルの号泣シーンや
ガンダルフとアングマールの魔王の対決など。
サウロンの口も出ていました。
エオメル兄貴の男泣きは劇場版の予告編に入っていたにも
かかわらず実際はカットされてしまっていたので楽しみ。
カール・アーバンの雄叫びが聞きたくてしょうがない。


実はうちのパソコン、最近音が出ないのでこの予告編も映像しか
観ていません。
ミュートにはしていなし、ボリュームもちゃんと上げてるんですけどねぇ。
サウンドドライバは平常なので液晶モニタ内蔵のスピーカーがおかしいと
思うんですが、また修理にも出すのもなぁ。←めんどくさがり

そういうわけで台詞やBGMはわからなかったので、
(イヤ、仮に聴こえていても英語だから理解できないんですが(笑) )
早くDVDですべてのシーンを観たいですね~。
日本版は来年にずれ込むらしいですが……早く出してくれー!ヽ(`Д´)ノ

※追記
パソコン本体と液晶モニタのコードの接触不良のせいで音が聴こえなく
なっていたようです。
今ではちゃんと音が出るようになりました。



関連記事:
劇場版「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」 SEE上映

関連blog:
観たり聴いたり「ふぁーらーみーあーヽ(゚∀゚)ノ」
Awayuki*Log「「王の帰還(ROTK)」SEE予告ムービー!」
[エンタメ]ロード・オブ・ザ・リング | 00:10:00 | コメント(4) | ▲TOP

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