詳細カテゴリ: [MONSTER]原作・キャラ語り

MONSTER 1 完全版 (1) (ビッグコミックススペシャル)

えーと久しぶりの更新です。
完全版に描き下ろしがあると知って1巻だけ購入してみました。1500円と高いのがネックです。


まず表紙。
テンマ先生かっけー! さすが主役。単行本18巻といいサントラといい、浦沢さんにとってテンマは赤いイメージなのかも。
そして幼少双子がどちらも美人! 本編では幼少双子の描き下ろしはなかったんで、この顔で本編もちょっと見てみたかった……。冒頭テレビに映る二人とか。
気になるのは顔の下半分隠れたキャラ。これはニナ? ヨハン? 1巻の内容を考えるとニナなんだろうけど、私は勝手にヨハンだと思っておきます。


一番気になる本編の描き下ろし。
主人公のテンマを除くと、脇ではルンゲ警部が一番多かった気がします。初登場のページ辺りは描き下ろしルンゲだらけで作者からの愛を特に感じました(笑)
対してニナの描き下ろしはまったくなかったような? 愛がないというわけじゃなく、ただ描き直す必要がなかったからなんでしょうが(これはこれでかわいいし)、今の浦沢さんのニナも見てみたかった。


一番期待していた大人ヨハンの初登場顔見せシーン。やっぱり新しく描かれていました!
びびび美形だ! これぞヨハン!というほどの美しさ。気合い入れて描いたぞ〜という作者の思いが伝わってくるようでした…。ホレボレ。そういえば前髪も元のより長くなってましたね。
あと、カラーページ収録でわかったことといえば、エヴァの髪はやっぱりブラウンだったということ。アニメはどうして金髪だったんでしょうね?


他、単行本からの変更が少しだけありました。
ユンケルスさんがユンカースに、ベアーデがベアーテと名前を変えられていたり、単行本では漢字だった台詞の一部が完全版ではひらがなだったり、その逆もあったり。これは何ででしょうね。名前はこちらのほうがドイツ語の発音に近いとかなんでしょうか。
あと章のChapterがKapitelに変更されていましたが、それなら表紙裏の英文とヨハンからニナへのメールもドイツ語にしてほしかったかなと。


でも一番の要望は記念の応募者全員プレゼント。もっと違うのが良かったです……。ANOTHER持ってるからめざめるかいぶつのポストカードなんて別に……となっちゃう(笑)
でも1〜4巻まで購入した方と書かれているので、5巻以降はまた別のプレゼントが用意されているのかもと期待しておきます。ってもしかしてなまえのないかいぶつポストカードとか? むしろ絵本そのものが欲しいんですが…!

[MONSTER]原作・キャラ語り | 22:36:46 | Comments(4) | Trackback(0) | ▲TOP

■キャラ語りに追加


MONSTERのニナ考察記事に萌え語りを追記しました。
最近ニナ萌えが急激に高まってます。漫画とアニメを見返しては萌え和む毎日。あーかわいい。


■テンマとヨハンの絵


また二人の絵を描いています。今は下書きが終わったところ。ものすごく遅筆なので3月中にアップできればいいなあと思ってます。


■映画『善き人のためのソナタ』(原題:Das Leben der Anderen)


『善き人のためのソナタ』公式サイト (ちょっと重いです。音が鳴るので注意。)


祝・07年アカデミー賞外国語映画賞受賞!
「1984年当時の東ベルリン」「国家保安省」「シュタージ」、それと「(ピアノ)ソナタ」といったフレーズに惹かれて最近観たドイツ映画ですが、予想以上にとても良い映画でした。社会派ヒューマンドラマで、最後のシーンではじわっと涙が溢れてくるくらいに感動。観ていない方もぜひ! おすすめです。


ついでにモンスタと絡めた話。
当たり前ですが全編ドイツ語だらけでそれだけでもハァハァものでした……。テンマも双子もみんなあの言葉を話してたんだーと思うとドキドキ。「Nein(ナイン)」とか「Ja(ヤー)」とか自分でもわかる単語が出ると聴き取れたーと心の中で喜んでました(アホ)。「Hilfe(ヒルフェ)」も出てたかな。字幕で「孤児院」も一回出てきたんですが、「キンダーハイム」と言ったかは不明。


双子を拾った時のヴォルフ将軍と似た格好をした人物(モブキャラ)も所々で登場。ブーツを履いてたか履いてないかの違いくらいかな。やっぱりあの軍服は格好良い…! 萌えます。


映像がまた薄暗くて、東ドイツのあの時代をモンスタキャラたちも生きてたんだなぁ…と感慨深かったです。無知なので東ベルリンがどんな雰囲気なのか漠然としか知らなかったんですが、この映画のおかげで少し理解できたかも。


1984年というと、ヨハンがまだ511キンダーハイムに入れられる前でしょうか。アンナと二人でチェコスロバキアを転々としてた頃かな。グリマーさんは諜報活動の真っ最中でしょうね。


そうそう、偶然知ったのですが、この映画に記者役でヘルベルト・クナウプという役者さんも出てたそうです。なんとルーエンハイム編で登場するヴィムの父親と同じ名前ですよ。もしかして浦沢さんがこの俳優のファンで、彼から名前を拝借したということなんでしょうか?


こんな感じでモンスタファンにもおすすめの映画です。私もまた観に行きたい。

[MONSTER]原作・キャラ語り | 21:26:25 | Comments(0) | Trackback(0) | ▲TOP

ヨハン+ファンで略してヨファン。ヨハンに関するあれこれ、答えてみました〜。
質問の関係上、ネタバレ+妄想だらけですので、苦手な方はご注意ください。

■基本編


1Q では、最初にHNをおうかがいします。


どんぐりです。


2Q いつMONSTERを知りましたか?


作品の存在を知ったのは、95〜96年くらい。『YAWARA!』を描いた漫画家が今度はサイコサスペンスをやるということで気になっていました。ただその時は結局手を出さずにいて、04年のアニメで一気にはまりました。新聞に大々的に宣伝されていてアニメ化を知り、1話から録画。ディーターの登場する辺りで知人から漫画全巻を借り、後から少しずつ買い集めました。


3Q いつからヨハンが好きだと気づきましたか?


うーん……。いつからなのか、実は自分でもはっきりとわかりません。漫画を読んでいた時はテンマが一番だったし、今も一番好きなのは、と訊かれたらやはりテンマと答えるんですが、ヨハンはヨハンで胸がきゅーんとなるんです。
18巻を読み終わった時に浮かんだ疑問を解消すべく、物語を理解するために何度も何度も読み込んでいたらいつの間にか彼がフトコロに入ってきた……。そんな感じです。アニメ感想を読んでもヨハンに対する扱いが変わっていってるのが見て取れるかもしれません(笑)


4Q 何巻のどのシーンのヨハンがお気にいり?


9巻、テンマに対して、ライフルのスコープ越しに笑みをたたえるヨハン。反則的な美しさ。
18巻、「Dr.テンマは僕を撃つんだ。そうでしょ?」のシーン。いつもとは明らかに表情が違い、テンマに救いを求めている必死なヨハンがとにかくかわいそうで。あれがヨハンの本当の素顔。
これも18巻、最後の病室で、テンマが「あれからずっと眠り続けているね……」と言っている時のヨハンの寝顔。無防備で儚さが感じられて好き。


あとは、11巻、女装バレの時のとんでもない笑顔と、16巻、赤ん坊が殺されて怯えるペトル・チャペックの回想に出てくる、冷徹な目をしたヨハンも外せません。あんな表情のヨハンに見つめられて、チャペックいいなあ…なんて思ってしまったです。


5Q ヨハンはカワイイ系?カッコいい系?


どっちかというとカワイイ系だけど、キモキレイカワイイかな。


6Q ヨハンが言った、言葉の中で一番印象に残ったのは?


「母さんは僕を助けようとしたの……? 僕と妹を間違えたの? どっち……? いらなかったのは、どっち……?」
やっぱりこれですね……。それまでは冷酷なモンスターとして描かれ、何を考えているのかもわからなかったヨハン。生きることを放棄するかのように眠り続けていた彼が、最後の最後に発したのが母の愛を問う言葉だったというのがひどく印象深いです。
「愛していたのはどっち?」じゃなく、「いらなかったのはどっち?」と言う辺りにも、ヨハンの深い傷が垣間見えますし。この台詞をテンマに投げかけたという面でも、大きな意味を感じています。


7Q 佐々木さんの声はヨハンのイメージに合っていると思う?


はい、今じゃ佐々木望さんしか考えられません。とは言っても4話「処刑の夜」の時は声が高すぎてあまり好きではなかったんですよ。はっきり言うとキモイなーなんて思ってて……。でも中盤から終盤は間違いなくヨハンのイメージにぴったりだったと思います。73話「終わりの風景」、74話「本当の怪物」の演技なんて神。


8Q ヨハンのイメージを動物にたとえると?


うーん………青い目をした白い猫……ですかね。スマートで毛並みのいい綺麗な猫。可愛がってかまってあげてもぷいっとあしらわれちゃう。


9Q ヨハンのイメージソングは?


とくにありません。でもこの辺りの歌詞だけはちょっとヨハンぽいなーという曲は結構あります。


10Q ヨハンのイメージカラーは?


エメラルドグリーン。アイスブルー。白。

■終了後編


11Q ラストシーンでヨハンはどこへ行った?


お母さんのところ。
ヨハンの能力を考えれば母の居場所を知ることなんて容易だったはずなのに、会うのが怖くて意識的に避けていたのが以前のヨハンだったんでしょう。せいぜい赤いバラの屋敷の母の肖像画に声をかけることしかできなくて。
けれど病室でテンマの言葉を聞いて、ようやく母と向かい合おうという気持ちになったんだと思います。


で、会ってどうするのか。殺すのか、殺さないのか。私は後者だと信じたいです。
年老いて弱々しくなった母の姿を見て、母に対する恐怖が薄れたことにヨハンは気づくんじゃないかと。結局テンマに問いかけた言葉は口にせず、二言三言交わしただけで別れる……というのが私の想像です。いや、一緒に暮らしてもいいですが。
あるいは、一度は手にかけようとしたものの、もう人を殺せないと悟ったヨハンはその場を去る、というのもありかなと思っています。


12Q 先生とは、あの後どうなった?


いやあ、先生と一緒に暮らしてくれればもう言うことはありません。過去が過去だけに、ぎこちない疑似家族で。最初は大変だろうけど、天才同士、案外うまくいきそうな気もします。


13Q 二ナとは、あの後どうなった?


「君は僕で、僕は君」。今まではそう思って生きてきたけれど、そうじゃないことがわかってからは一歩置いたような関係になる。とは言え、今度はニナのほうから積極的に関わろうとするので、距離感のつかめないヨハンは少し戸惑ったりするのかも。
ニナ……アンナは大切な妹で、でも母のことでわだかまりもあって、嫉妬もして、だけどやっぱり大切な、そんな存在。
ていうか一緒に暮らしてるといいなあ。双子が仲良くしてるところを見たい。


14Q アンナ(双子のお母さん)とは、あの後どうなった?


上記に書いたように一度会った後にそのまま別れるか、もしくは一緒に暮らすか、どちらかだと思います。ヨハンは母親を憎んではいないと思うので。


15Q もし、ボナパルタが生きていたら、あの後どうなった?


ヨハンにとっては怪物以外の何物でもないですからね……。会わない。ただそれだけでしょう。


16Q もし、ロベルトが生きていたら、あの後どうなった?


これは……。ヨハンから率先して会うとは思えないし、どうなるんでしょうかね? むしろロベルトストーカー化? 「終わりの風景を見せてくれ……」って追いかけまわすんですよ。怖っ。
ってそれは置いといて、普通に考えたら警察病院に収容されて回復したのち逮捕されるって感じでしょうか。でもヨハンのためを思って、あのユルゲンスみたいに自殺しそう……。なんかロベルトがかわいそうになってきた。


17Q ヨハンの本当の名前はなんだったと思います?


お父さんがドイツ系チェコ人だったから、やっぱりドイツ名だったのかなあと。父親の名前をそのままもらうというのもありうることですしね。だとすれば本名がヨハンでもおかしくないわけで。もうヨハンはヨハンしか考えられません。


18Q どうしたらヨハンは救われるでしょうかねえ?


テンマとニナが鍵を握っていると思います。ヨハンを救えるのは、あの二人しかいない。


19Q あの後のヨハンに必要なものは?


愛情以外にないでしょうね。
「人間として成長していくには、愛情しかないのよ……」
3巻、孤児院のエルナ・ティーツェ先生の台詞ですが、ヨハンにも絶対当てはまるはず。


20Q ヨハンはあの後、しあわせになれる?


私がどんなに希望的観測を書き散らしても、あれほどまでに凄惨な経験をし、人を数え切れないくらい殺してきたヨハンを思えば、しあわせになるなんてほとんど不可能なんじゃないかと正直思ったりもします。……しますが、それでもゆるやかに流れる時間が彼の苦しみを和らげてくれればと思うのです。そしてそばにはテンマとニナの笑顔があればもっといいなあと。……夢を見たっていいじゃない。

■もしも編


21Q 今先生とヨハンが家の近所に住んでいたら


ブフー。ニヤケながら遠くから眺めると思います。ピンポンダッシュ(古)はヨハンが怖いのでしません。


22Q もし、ちびヨハン(子供のころのヨハンのこと)がうちに遊び来たら。


あたまなでたい。ほっぺさわりたい。手をにぎにぎしたい。かまいすぎてぷいっとあしらわれちゃう。やっぱり猫。そして瞬殺される……。


23Q 先生とヨハンが二人一緒にいます。さてどこだ?


海!海!海! 閑散として誰もいない浜辺。


24Q ヨハンにはどんなコスプレ(え?)が似合いますか?


もーなんでも合うと思いますが、とりあえずエプシロンの格好をさせてどこまでソックリなのか確かめたいです。あとアンナになっていくところを目の前でじっくりと見てみたい。


25Q ヨハンが本を読んでいます。どんな本だ?


『闇のドルン』。……じゃなくて株の本とか。日本語をマスターして日本の本も読んでいたり。


26Q ヨハンになにをプレゼントされたらうれしい?


毒入りキャンディとか毒入りウィスキー・ボンボンじゃなかったらなんでもいいです。

■どうなんだろう?なんだろう?編


27Q ヨハンにとって、先生はどんな存在?


親であり、親以上の存在であり、特別な人。一番近くて、一番遠い人。


28Q ヨハンにとって、ロベルトはどんな存在なんでしょうかねえ?


捨て駒。ロベルトもそれはわかっていたと思う。


29Q 自分の中のヨハンはどんな存在?


あれこれと考察するのにここまで悩ませる困った存在。だけどそれ以上にいとおしい存在。


30Q 最後に、ヨハンへの愛をぶっちゃけ語ってくださいなっ。


綺麗で、怖くて、変で、かわいそうなヨハンが大好きです。
ヨハン……恐ろしい子…!

ヨファンに30の質問 配布元


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[MONSTER]原作・キャラ語り | 22:13:15 | Comments(0) | Trackback(0) | ▲TOP

ひっそりと2007年初の更新です。って更新せずにはいられないほど興奮してますから自分。
NHK! 良い番組をありがとう! 前振りからてっきり20世紀少年の特集だけかと思っていたのに、PLUTOの原稿からMONSTERのことまで触れてくるなんてびっくりですよ。


まずMONSTER。
「心に闇を持つ冷酷な殺人鬼と、それを追う日本人医師。人間が持つ善と悪の二面性を真正面から描いたこの漫画」。このナレーションだけでごはん3杯はいけます。


そして極めつけはボナ博士とヨハンのどアップ。これはやばいです。私が。
主人公のテンマは1回くらいしか映らなかったのに、ボナ博士とヨハンのシーンは無駄に何回も出ているし。スタッフにファンがいるんでしょうか…。ボナ博士なんて地味な扱い受けて当然の人なのに…。「人間はね……何にだってなれるんだよ」という重要な台詞を言っていたシーンが画面映えするということで引用されたんでしょうかね。


ヨハンもね、「誰にも平等なのは……死だけだ」ってあのシーンばかり映ってもう鼻血ものでした……。カメラもこれ以上ないというくらいにどんどん寄っていくし、ヨハンのアップがあんなに拝めて、あーほんとに綺麗だなこの子は〜と改めて思いましたです。


絵を描くうえで最もこだわっているのがキャラクターの表情だと浦沢さんは言っていたけれど、これにも納得。表情を読むだけでもどんどん考察が膨らむくらい、ヨハンやテンマ、どのキャラもみんな表情が深いですよね。


これ以外でも、発言全部をMONSTERに当てはめて受け取ってしまってました。
たとえば、脳と右手が一体化し、するすると絵が描けるという瞬間。MONSTERじゃどのシーンだったんでしょうね。想像では、18巻はそんなシーンの連続だったのかなぁと思っています。


また、20世紀少年の連載冒頭について浦沢さんと長崎さんで意見が分かれていたけれど、MONSTERでも当然そういうことは何度もあったんでしょうね。突き詰めていけばMONSTERという作品だって、二人の中で別々のものかもしれないですし。(まあ、あの『ANOTHER MONSTER』が長崎さんにとっての『MONSTER』なのかなとも思いますが)


ていうかテレビを観ていて、お二人にMONSTERのその後をどう捉えているのか尋ねたい気持ちに駆られてしょうがなかったです。ぶっちゃけヨハンのその後なんですが。
おそらく連載時、この番組のようにあーでもないこーでもないと話し合って結局あのENDに落ち着いたんでしょうが、二人とも個人としてはどう考えているのか。答えなんて知りようもないことはわかっていますが、それでもこうして書かずにはいられないのです……。


そういえば「ハリウッドで映画化が進むMONSTER」と堂々と番組で言っていたので、映画公開もこのまま期待していていいということですよね? 権利だけ取って映画化しないということもあるのかもしれないと不安だったので、そこは少しホッとしました。…まあ、まだわかりませんが。


MONSTERの次に嬉しかったPLUTO。
コミックス未収録分の、怖い顔のゲジヒトと放心状態のエプシロン。コミックス派にはネタバレもいいとこですよね(^^; 私は立ち読みで連載も追いかけているので大丈夫でしたけど。
これもエプシロンの顔がたくさん映って満足。(未収録分ややネタバレ→)普段は「私」なのに「僕は……」と言っているシーンなんて切なくなります。


それにしても浦沢さんが気に入っている描線の絵というのがゲジヒトさんで、やっぱりこの人は親父キャラが好きなんだなぁとしみじみ思いました。なんてわかりやすい…。


20世紀少年は読んだことがないんですが、去年に連載を休止したのは体の激痛のためだったんですね。でもそんなこと誌面では触れていないんですよね? 休止の際に普通だったら病気のためとか何か理由を書くはずなんですが、それをしないなんてある意味プライドの高い人だなあとも思ったり。


戦う相手が自分、目指す頂点は辿り着けない憧れの存在というところは、少し中村俊輔を重ねて見てしまいました。(俊輔は頂点がマラドーナだって絶対言うはず(笑))
二人とも、努力の天才なんでしょうね。


しかし浦沢直樹、47歳にはとても見えません。肌がきれい…。

[MONSTER]原作・キャラ語り | 21:49:02 | Comments(2) | Trackback(1) | ▲TOP

悠里さんからMONSTERバトンが回ってきました。悠里さん、ご指名ありがとうございます!


■MONSTERにはまったきっかけは?

アニメ。もともと『YAWARA!』や『MASTERキートン』のアニメが好きだったので、『MONSTER』もアニメ化する前からずっと気になっていた作品だったんですが、単行本を手にする機会がなかなかなくて。が、アニメの第1話を観て一気にハマリました。
最初に現れた手術着姿の温和なテンマ先生と、直後のOPでの荒みまくった姿の落差に驚いたことも、今となっては懐かしい。


■MONSTERの中で一番好きな話は?

9巻「なまえのないかいぶつ」の章。
物語のキーとなる絵本から始まって、ヨハンにライフルを向けるものの手が震えて撃てないテンマ→脳裏をよぎるユンケルスさんやマウラーさんの記憶→撃つ決意→スコープ越しに冷たく笑みを浮かべるヨハン……というコンボがたまらなく好き。
アニメでは20話「フライハムへの旅」が音楽も映像も綺麗で印象的でした。


■よく見るMONSTERサイトの傾向は?

素敵なイラストから漫画、世界観に浸れる小説、萌え語りまで何でも。


■好きなキャラは?

テンマ、ヨハン、ボナ博士。


■では、そのキャラの将来もしくは生存していたら?

テンマ:アジア、アフリカ、中南米とあちこちを飛び回って、世界中の人々を癒す日々。
ヨハン:テンマ先生が引き取ればいいんです。
ボナ博士:この人はほんと難しい…。グリマーさんの言うように過去の罪を告白しようとしたらしたで、そうされると困る人間に間違いなく暗殺されていたような気もします……。


■そのキャラの好きなところは?

テンマ:やさしくて強いところ。
ヨハン:綺麗な容姿と、かわいそうなところ。
ボナ博士:ロマンチストなところ。


■逆にそのキャラの自分から見た欠点は?

テンマ:自分を無駄に追い込むところと、みんなにやさしいくせに実は壁を作ってるところ。
ヨハン:髪型。雨でヘアスタイルが崩れていたルーエンハイム編やラストの病室での姿のほうが絶対いいです。
ボナ博士:エゴイストなところ。


■あなたにとっての名ゼリフを教えてください。

「明日はきっといい日だ」(テンマ)
「人間はね……何にだってなれるんだよ。君達は美しい宝石だ……。だから怪物になんかなっちゃいけない……」(ボナ博士)
「誰にも平等なのは……死だけだ」(ヨハン)
「テンマ……あなたは間違っていない……。あの時も……これからすることも……」(ニナ)
「君のお母さんと話をした……。君を愛していた………。君の本当の名前を聞いた………。君には名前があった………」(テンマ)


■では、ほかの漫画やドラマなどを見ていてMONSTERのキャラに似ていると思ったキャラはいますか?

同じ浦沢作品だけど、エプシロン(『PLUTO』)。ロン毛のヨハン。
ルーピン先生(『ハリポタ』)。グリマーさんになんとなく似ているような気が。
あまり観なかったけど、ドラマ『逃亡者』の江口洋介。まんまテンマ。


■あなたにとってこの作品のイメージはなんですか?

遠い地平線。海の深い青。水のゆらぎ。朝焼け。闇の中の光。
暗くて怖いけれど、やさしくて懐かしい……そんなイメージ。


■それでは、バトンを3人の人に

答えてみたい方はお気軽にどうぞ。

[MONSTER]原作・キャラ語り | 17:42:08 | Comments(0) | Trackback(0) | ▲TOP

あれだけ真面目にキャラ語りしておいてなんですが、カプ萌え話も大好きだ!ってことでカップリング語りです。物語がシリアスな分だけほとばしる萌えがそこにはあるんです……。
なので『MONSTER』にそんなもんは認めない。という硬派な方は、避けたほうが無難かと思われます。


また、男女のノーマルカップリングから女性向けなものまで、それはもう節操なく語っているので苦手な方はご注意ください。
一応、ノーマルと女性向けは別枠で分け、念のために反転もしてあります。反転文字が読みにくいという方はユーザースタイルシートを使うといいかもしれません。
とにかくカップリング話もばっちこーい!という方のみ、「続きを読む」からどうぞ。


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[MONSTER]原作・キャラ語り | 22:12:25 | Comments(2) | Trackback(0) | ▲TOP

再びテンマヨハンニナ語りです。前の記事は基本的に単体のキャラ語りだったので、今回は三人の関係に焦点を絞って語ってみようかなと。
何しろ去年の暮れに放送したアニモン総集編のエンドロールで、テンマ、ヨハン、ニナの三人だけが登場順の他のキャストとは別格扱いだったのに萌えたくらい、この人たちの関係が好きなんですよ。


↓↓↓以下はストーリーのネタバレです。また、記事の内容上いつにも増して妄想全開なので、ご注意ください……。


↓長くなってしまったのでページ内リンクを付けてみました。
 ▼テンマとヨハン
 ▼ヨハンとニナ
 ▼テンマとニナ

【テンマとヨハン】


まずは話の軸でもある二人の関係から。
傷ついた人々を癒し助けていくテンマと、人の心にある闇をすくい取って死へと追いやるヨハン。生と死、対照的な二人をつなぐのは、「人の命は平等」という言葉。


単行本1巻、まだヨハンと再会していない頃、テンマは患者のユンケルスさんにこんなことを言っています。
「僕も以前はそうだった……。(中略)手術を成功させるのは、地位をかためる手段だ…ってね。でもある男の子の手術がきっかけで、僕は変わったんだ。(中略)頭部を銃撃されたその子を助けることで、僕は医者の本分に立ち返ることができたんだ。人の命の重さはみんな一緒だ。医者はその命を助けるのが仕事だ…ってね」


奇しくもテンマに命の平等を教えてくれたのがヨハンだったわけです。
ミュンヘンの大学図書館、ルーエンハイムと、ヨハンを前にしながらどうしても引き金を引けなかったのも、殺人というタブーを犯すことへの恐怖以上に、このことがいつも頭にあったから。自己の信念を象徴する存在であり、ずっと心の拠り所だった少年を殺したくないという思いが、怪物を生き返らせてしまったという罪悪感をも上回るのだと思います。


だからルーエンハイムでヨハンが銃弾に倒れた時、望んでいた状況のはずなのにテンマの心はぽっかり穴が開いたような状態だったのではないでしょうか。
再度ヨハンの執刀を決意したのは、ニナに許したいと言われただけではなく、テンマ自身が許したいと思った結果だったらいいなあなんて思っています。


一方、テンマを親みたいなものだと言ったヨハン。
再会して自分のことをテンマが覚えていてくれたと知った時、実は嬉しかったんじゃないかと思います。それは、存在しない人間になるために養父母だった人たちを次々と殺していくこととひどく矛盾しているけれど、一方でヨハンが親の存在を強く求めていたという何よりの証しでしょう。


『ANOTHER MONSTER』では、テンマが憎んでいようが愛していようが、ヨハンを覚えていること、追いかけてきてくれることがヨハンにとって大切だったという一文があります。
テンマの目の前でユンケルスさんを“処刑”したのも偶然なのではなく、テンマが自分を追うように仕向けるためだったのかもしれません。


ヨハンが心を許すのは唯一妹だけ。単行本2巻、ミュンヘンに住む盲目の老人はそう言っていたけれど、多分それは兄妹が廃墟で再会するまでのこと。そこでニナと自分は同一の存在ではないと知ってしまったヨハンにとって、テンマに終わりの風景を見せることだけが残された道だったのだと思います。


フランツ・ボナパルタへの復讐は母の代わりに母の意志でやったことであって、ヨハンが執着するのはあくまでテンマだけ。だからニナに許すと言われても、「もう後戻りはできなかった」し、「Dr.テンマは僕を撃つんだ」とヴィムに銃を突きつけてテンマに運命を委ねることしかできなかった。


このシーンのヨハンは、リーベルト夫妻を殺害した時にアンナに言った「僕を撃てよ」とまったく同じことをテンマにしているわけですが、こんなやり方でしか愛情を測れないのがヨハンの哀しさなのでしょう。


それにしても最後の病室でのテンマとヨハンの関係はそれまでのものと180度変わりますよね。特にテンマはヨハンにかける言葉が穏やかでやさしく、帰り際に振り返った時の表情は、ルーエンハイムで対峙した時のそれとはまるで違う。ヨハンも本来なら母親にこそ問うべき言葉をテンマに投げかけていて。
親子のようで親子でない、そんな微妙で曖昧な関係の二人が好きです。


余談ですが、アニメのオープニングでの、銃を構えるテンマを映しだすヨハンの青い瞳という構図(*)がすごく好きです。ルーエンハイムで対峙する二人をこんなふうに描くセンスに脱帽。ヨハンはどんな思いで自分に銃口を向けるテンマを見ていたんだろうとか色々と考えてしまいます。


【ヨハンとニナ】


この双子に対する一番の疑問は、なぜ記憶が入れ替わってしまったかでしょう。
なぜ赤いバラの屋敷から帰ってきたニナが体験したことを話しただけで記憶を忘れ、なぜヨハンは自分が屋敷に連れて行かれたのだと思い込んでしまったのか。
これを知るには、この時の二人がどんな心境でどんな感情を抱いていたかを考える必要があります。


まずはニナ。
母に直に捨てられる形で屋敷に連れ去られたこと、屋敷の真っ暗な部屋に長い間閉じ込められたこと、たくさんの人間が毒殺されるのを目の前で見てしまったこと……。
幼い彼女にとってはどの記憶も忘れてしまいたいことだったはずです。一人で抱え込むには怖くて苦しい大きな記憶。それを分身ともいえるヨハンに少しずつ話して記憶を共有することで、自分一人だけの苦しみを解放していったのでしょう。


一方、屋敷から帰ってきたニナに「ごめんね」と謝り、泣いていたというヨハン。
追手から逃れるために、双子と思われないようニナと同じ姿をさせられていた彼は、選択の時に母が自分と妹を間違えたのではないかとずっと思い込んでいました。バラの屋敷に連れ去られるべきは妹なのではなく、自分のほうであると。そんな引け目が「ごめんね」という言葉に表れているのだと思います。


さらにヨハンはニナに対して様々な感情を抱いたはずです。
罪悪感の他、怖い目に遭って可哀相だという同情、本当は自分のほうが捨てられたのだという思いから来る嫉妬、それに対する自己嫌悪、できることなら妹と替わってあげたいという優しさゆえの思いと、母に疑念を抱くことのない妹の立場に成り代わりたいという強い願望。


双子の記憶の入れ替わりは、自分の身に起きたことを認めたくない、相手の立場に成り代わりたいという双方の望みから生まれた利害一致の結果であり、その思いがお互いの同一化(君は僕で、僕は君)を生んだのだと思います。
(アンナも“ニナ・フォルトナー”となるまでは、ヨハンを分身のように思っていたはず。だからこそリーベルト夫妻を殺害したヨハンが鏡に映った悪魔のように見えたのでしょう)


ゆえにその意味では、ニナがヨハンに救われていたのと同じように、ヨハンもニナがいたことで救われていたのではないでしょうか。それぞれが体験したつらい記憶を相手のものとすることでトラウマを回避していたと。


その後に二人が辿った道がまったく正反対なものになってしまったのは皮肉としか言い様がないのですが、エンド後の双子には新たな関係を築いていってほしいなと思います。


【テンマとニナ】


テンマがヨハン殺害を決意するのに少なからず関わっているのがニナの存在。
ヨハンと再会し怪物を生き返らせてしまったことにショックを受けるテンマですが、その後すぐにヨハンを捜し出して殺そうとはしていません。
中年夫婦殺人事件の現場となった場所を訪ね、ヨハンの過去を調べても、
「私は何をしているんだ………。こんな調査まがいのことをしてなんになる……。それ(ヨハンの正体)を知ってなんになる……。あいつは大量殺人を繰り返す双子の兄だ……。ただそれだけだ……」
と思うだけ。何もかも捨て去ってまでヨハンを追おうとする意思はまだ見せていませんでした。


そんなテンマの心が変わったのは、ニナと出会い、彼女がもう一度ヨハンを殺すために姿を消したことから。
マウラーさんとフォルトナー夫妻が殺されるのを止められず、幼少ヨハンが頭部を撃たれたのは、殺人を繰り返していた兄を殺すためにニナがしたことだったと知るテンマ。姿を消したニナが残したメモから、彼女が再びヨハンを撃つ覚悟でいることを悟ります。


あの時、ヨハンは妹に殺されるはずだった。後にヨハンに殺された人々も死なずに済むはずだった。今の事態を生んでしまったのはこの自分。責任を取るべきはニナではなく、私のほうだ―――。


きっとテンマはこんなふうに思ったはず。
彼はフランクフルトのトルコ人街焼き討ち事件やミュンヘンの大学図書館でニナに会うたびに「君は撃つな!」と彼女を止めますが、それも全部こうした思いゆえのことでしょうね。
ニナの手を汚してはならない。
テンマにとってヨハン追跡の旅はこんな意味もあるのだと思います。


また、ニナが真実を知って自殺をほのめかした時も、彼女の存在に端を発した旅だから、「君が死んだら……私はどこへ行けばいい……」と弱い部分をさらけ出すことができたのかもしれません。
テンマの苦悩と葛藤を知るニナは、孤独な旅を続けるテンマにとって失いたくない大切な存在だったのです。


この二人の関係で思うのは、ニナがテンマにかける言葉の変化。
フォルトナー夫妻が殺され、「あなたがお兄ちゃんを助けなければ、パパとママは殺されずにすんだのよ!!」と最初はテンマを罵倒したニナ。
けれども姿を消した時のメモには「Dr.テンマ、あなたは悪くない。あなたは医者としての仕事を全うしただけです」とテンマをいたわり、自責の念すらも感じさせる言葉に。
テンマと同様、ニナも彼と会うたびに「あなたは撃っちゃいけない!」と口にしますが、テンマをこんな形で巻き込んでしまったことに対する後悔がそう言わせるのでしょう。


そんな彼女も、物語の最後では「テンマ……あなたは間違っていない……。あの時も……これからすることも……」とヨハンを助ける行為そのものを肯定するようになります。それは、ヨハンとテンマ、二人を許すということ。
ヨハンとテンマ、どちらの側にも立てたニナだから言うことができた言葉なのだと思います。


こうして思うのは、三人の奇妙で不思議な絆。
ヨハンに命の重さを伝え、ニナの心を救うテンマ。
テンマとヨハンのすべてを許し受け容れたニナ。
そして、テンマとニナの心を鏡のように映し出して自己を見つめさせるヨハン。


生も死も見つめ続けた三人だから、精神的に深いところでつながっている……そんな三人の関係が大好きです。

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久しぶりの更新。その4は、ボナ博士ことフランツ・ボナパルタです。キャラ語りも4回目とくれば普通は別のキャラになるんでしょうが、私の中ではこの人は4番目のポジションに来るくらい、重要なキャラクターです。
※サムネイルをクリックするとイラストを原寸サイズで見ることができます。


↓↓↓以下はストーリーのネタバレですので、ご注意ください。『ANOTHER MONSTER』についても多少ですが触れています。


悪バージョンボナ博士

【フランツ・ボナパルタ(クラウス・ポッペ)】


チェコスロバキア秘密警察に所属しながら、精神科医、脳外科医、心理学者と多くの肩書きを持つドイツ系チェコスロバキア人。いくつものペンネームを使い分ける絵本作家でもあり、『なまえのないかいぶつ』も彼の作品。
優秀な男女を掛け合わせ子供を人工的に作り出す計画の首謀者であり、ヨハンとアンナもその計画によって生まれた子供である。赤いバラの屋敷では朗読会と呼ばれる実験を行っており、511キンダーハイムも彼の構想が元となっている。
双子の母アンナに恋したことからバラの屋敷の惨劇を引き起こし、その後は本名のクラウス・ポッペを名乗ってドイツの小さな町でひっそりと暮らしていた。



チェコ編からたびたびニナの記憶に登場し、読者にラスボスかと思わせておきながら、最後はクラウス・ポッペとして意外な姿を見せてくれたボナ博士。テンマ、ヨハンに次いで好きなキャラクターだったりします。何故ならとても弱くて愚かな人だと思うから。普通ならそれは嫌う理由になるはずなんですが、それがこの人の場合は逆に惹きつける要素となっている気がするのです。


知能が高く、人を自分の思いどおりにすることができた秘密警察時代。他人の人生を踏みにじっても何とも思わず、まさしく怪物のような存在だった彼が一変したのは、実験対象であるはずの女性に恋してしまったことから。
彼女と双子の子供たちを守るためだけに三人を知る人間を皆殺しにし、その後は先祖の故郷であるドイツに亡命。これまで犯してきた罪から目を反らすかのように静かに暮らし、ヨハンとアンナの絵をただ描き続けていた……。


アンナと双子への想いから、彼の心境や価値観は大きく変わったけれど、それ以降、彼の行動は一貫して逃げる方向に向かっています。
チェコから、過去から、自分の犯した罪から……。
償う気持ちがあるのなら、グリマーさんが言っていたように自分のしてきた事をすべて明らかにするべきだったし、ヨハンに心中を迫るなんて以ての外だった。ヨハンがリーベルト夫妻を殺害した夜も決して逃げるべきじゃなかったんです。


でも彼は逃げることしかできなかった。
絵を描くことと、人を殺す(=存在をなくす)ことでしか、生き方を見出せなかった。


すごく、弱い人だと思います。ずるくて、勝手で、中途半端で。天才の名をほしいままにしてもそんな生き方しかできなかった哀しい人です。
でも人間らしい弱さを持つ人だからこそ、どうしようもなく惹かれてしまうのかもしれません。人間の業を背負ったこの人の存在が、この作品のテーマをより強くしているのだと思います。


また、彼のことを考えるたびに必ず出てくる言葉があります。それは「皮肉」という言葉。
テンマとヨハンにも当てはまるけれど、ボナ博士が一番この言葉を体現していると信じて疑いません。


実験のために人を道具のように扱っていた彼が、被験者のアンナに恋心を抱き、実験の“成果”であるその子供たちに愛情を向けることになる。
これは本人が一番思いもよらなかったことでしょう。他人の感情を奪い続けていた自分が、まさかその感情によって突き動かされることになろうとは。
計画の一環としてアンナが双子の父親を愛するように仕向けることは容易にできたのに、肝心の自分自身に対してはどんなに望んでもそれが叶わないなんて。


アンナへの手紙に書いていた「今はただ悲しい……」という感情も、それまでは抱いたことさえなかったものでしょう。絵本の編集者に最後に会った時、晴れ晴れとした笑顔だったという博士。恋を知って世界が変わって見えたんでしょうね。
感情を知る喜びと引き換えに、己の愚かさも思い知ることになる……。なんて皮肉。


これは想像ですが、ボナ博士がアンナへの恋心を自覚したのは、三匹のカエルで双子のどちらかを連れて行くか選択させ、ニナとアンナを車で連れ去った直後ではないかと考えています。


無表情で冷淡に選択を迫ったあの時の彼は、間違いなく実験のことしか頭になかったはず。
一方、母親としてやってはいけないことをしてしまったアンナは、あの後茫然自失の状態だったのではないかと思うのです。後に年老いた姿で後悔の念を口にしていた彼女を見ると、復讐を果たすためにしたこととはいえ、正気を保つのは難しかったのではないかと。
けれども彼女のそんな痛ましい姿がボナ博士に変化をもたらしたとは考えられないでしょうか。皮肉にもアンナをギリギリまで追いつめて初めて彼女への恋心に気づくことができたのだと。


単なる憶測に過ぎないけれど、博士とアンナの関係の変移を考えると、ターニングポイントがこの選択の時にあったというのはあながち間違っていないのではないかと思っています。


皮肉と言えば、名前をあれほど否定していた彼が、「エミル・シェーベ」や「ヤコブ・ファロベック」などたくさんの名前を持っているというのは皮肉以外の何物でもないですね。いや、名前を多く持っている分、名前の持つ意義を希薄にしているということなのかもしれませんが。
『ANOTHER MONSTER』によると、博士は自分と母を捨てた父親を憎んでいたということなので、もしかしたら父親と同じ姓を名乗ることを疎んじて数多くのペンネームを使っていたのかもなあと想像してみたり。(ルーエンハイムで本名を名乗っていたのは、その父親のことも受け容れられるようになったから? でもペンネームとして以前から使っているので違うかも…)


博士の台詞で一番印象に残っているのが、「人間はね……何にだってなれるんだよ」。
彼だから言えた台詞であり、『MONSTER』のテーマをまさに表している一言だと思います。


でも引っかかるのは、この言葉をなぜアンナにしか言わなかったのかということ。
彼ほどの知能を持つ人なら、三匹のカエルにひとりぼっちでいるヨハンが今どんな状況に陥っているのかわかりそうな気もするのに。感情というものに長い間執着せずに生きてきた人だから、ヨハンの心理状態までは読めなかったということでしょうか。


双子の母親を安全な場所に逃がしたり(彼女がフランスの修道院にいたのは、博士の手引きと想像)と、秘密警察や政府に知られないよう、自分と双子の母子の存在を消す工作にかかりっきりでヨハンのことまで気が回らなかったというのもあるのかもしれません。


ただフォローしてみると、双子特有の共有能力を信じていたという可能性があったように思いました。あの言葉を、アンナだけじゃなくヨハンも聞いているという前提で言っていたのかもしれないと。
ルーエンハイムに着いてからのニナは、姿を見せないヨハンの様子も事細かに理解していたし、『ANOTHER』でも幼少時代の二人に共有能力があったことが書かれています。
赤子の時から双子を見てきた博士なら、二人の能力のことを知っていても何ら不思議はないのです。


こんな推測をしたのは、「『君達』は美しい宝石だ……。だから怪物になんかなっちゃいけない……」と、アンナに対して『君達』と言っていたからですが、これはさすがに無茶な解釈でしょうか。結局、肝心なところは共有されず、ヨハンには言葉の意味を誤解されて受け取られてしまいましたしね……。


■ちょっと萌え語り


この人はあれですね、ずばり双子萌えなところが萌えなんですよ。
テレビで双子を見て、雨でびしょ濡れになりながら家を訪ねたり、ルーエンハイムで双子の絵ばかり描いていたり、ニナの名前を聞いただけで涙を流しちゃったり。彼にとって双子は、「美しい宝石」であり「永遠の命のような」存在ですからね。


その双子の絵ですが、あれってリーベルト夫妻と一緒にテレビに映っていた双子の姿そのままなんですよね。たぶんビデオだってなかっただろうし、あのテレビの映像を見ただけで、二人の服装までしっかり覚えて頭に焼き付けたんですよ。ずば抜けた記憶力をそんなことに駆使するボナ博士に萌え。


博士といえば甘党であることも忘れちゃいけません。紅茶とケーキを好む優雅な男と評されたボナ博士。たぶん作者は優雅さを強調したいがために紅茶を出したのであって、じゃあついでにセットでケーキも、というくらいの軽い気持ちなのかもしれません。


でも、でもですよ? 悪事の限りを尽くしていた秘密警察時代のあの人が、実はケーキが大好物でしたって、何なんですかその萌え設定。しかも『ANOTHER』ではとくにアンズ入りケーキがお気に入りだったとランケ大佐に暴露されてもう大変。これはちょっとかわいすぎるんですけど…!


アニメでは、大御所と言われる野沢那智さんの声でさらに萌え度がアップ。悪人時の渋い声がたまらんでした。
「いいんだ。名前など、いらないんだ」
「目的は私なんだろう……その彼の目的は」
あぁ、ステキすぎる……。何度も繰り返して聴いてはうっとりしてます……。


……キャラ語りが一番長いのがこの人ってどんだけ好きなんだ自分。でもこの人のことを思う存分語れてしあわせです……。


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(↓アニメ感想ですが、ボナ博士について考察しています。まぁ彼が登場する回はほとんど触れていますが)

[MONSTER]原作・キャラ語り | 23:24:37 | Comments(4) | Trackback(0) | ▲TOP

テンマ、ヨハンときたら次はもちろんニナですよ。
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↓↓↓以下はストーリーのネタバレですので、ご注意ください。


笑顔ニナ

【ニナ・フォルトナー(アンナ・リーベルト)】


ヨハンの双子の妹。チェコ出身。
幼少時代にヨハンが殺人を繰り返していたと知り兄を銃で撃つが、ショック状態となった彼女はやがてフォルトナー夫妻に引き取られることに。しかし二十歳の時にその育ての親もヨハンに殺され、兄の凶行を食い止めるべく大学を休学、追跡する。
事件後は大学を無事卒業し、弁護士を目指して奮闘中。



並み居る個性的なキャラたちと比べると、やや印象が薄いように感じるニナ。
浦沢作品おなじみのかわいい容姿、聡明で合気道も得意と文武両道に秀でる彼女が、運命に翻弄されるも懸命に生きる姿はもちろん悪くはないのですが、その清らかさゆえに他の一癖も二癖もあるキャラたちの前にはどうしても霞んでしまうんですね。


もう一人の女性キャラであるエヴァはそれはもう欠点だらけですが、それがかえって人間味のある印象深いキャラになっているのに対して、ニナはそつがなく、これといった欠点がないのが逆に欠点となってしまっている気がします。


が、ひとたびテンマやヨハンと並ぶとぐんと光って見えてしまうのがニナの面白いところ。
ヨハンを殺そうとしながら、一方で自分の中の闇に怯え、最後にはテンマの苦しみとヨハンの孤独を理解するニナ。テンマ側の人間であると同時にヨハン側でもある立ち位置が彼女の良さなのでしょう。そもそもあの時ヨハンを撃たなければ、三人が出会うこともなかったわけで。
テンマとヨハン、二人を許すところがニナの一番の魅力であり、この物語において彼女の最大の存在意義だと思っています。


そのエピソード、ルーエンハイムでヨハンを許す場面について。
「世界中にあたし達二人だけになっても……あなたを許す……。それがあたしの……あなたへの……」
この台詞に続くのは多分、「償い」。
ニナはヨハンに許しを与えるという形をとりながら、一方で許しを求めてもいるわけです。


許すというのは、ヨハンの犯してきた罪を許すということ以上に、ヨハンの存在を受け容れるということです。絵本の『へいわのかみさま』に登場する神様と鏡に映った悪魔のような表裏一体の関係ではなく、お互い別の人間として認めあうこと。


ヨハンは記憶も怪物もすべて一人で背負ってくれていたのに、何も知ろうとせずに彼を殺そうとした自分。彼を受け容れず理解しようとしなかった自分。ニナはそれを悔いているのでしょう。あの「許す」という言葉にはそんな思いが込められているのだと思います。
ニナは言葉で、テンマは行動で。
怪物の連鎖を断ち切るには、「許す」以外にないのかもしれません。


ところで、天才ぶりはヨハンのほうばかりが強調されているけれど、彼女も充分すごいですよね。
三匹のカエルから車で連れ去られたのに、あの幼さ(6歳くらい?)でちゃんと道のりを覚えて三匹のカエルに一人で帰ることができたり、長く大学を休んでいたのに優秀な成績で卒業できたり。将来は間違いなく売れっ子弁護士として活躍しそうです。


美人で頭脳明晰、そのうえ合気道も強いとくればそれだけでも羨ましいくらいですが、テンマにもヨハンにも大事にされて、そういう意味でもものすごーくおいしいキャラですよね。ニナさん、勝ち組すぎ。


■ちょっと萌え語り


記憶を思い出すにつれてヒロインらしくないホラー顔をたびたび見せてくれるのでどうにも不安だったニナ。それでも最後は明るい笑顔を取り戻してくれてホッとしました。やっぱりニナは笑顔のときが一番かわいいです。なので上の絵も笑顔で。
ちなみに絵は事件後のニナ。だからちょっとだけ?大人っぽいです。(本当は原作のようなかわいいニナが描けなかっただけ……)


ニナ関連の好きなシーンもだいたい笑ってるものが多いです。
カールに振られたロッテを励ますシーンの「悪いことはそんなに続かない……続けさせちゃいけない。ね……」とか、図書館炎上後、ディーターに言った「おいしいもの食べると元気になる」とか。
上の「ね……」なんてこれで完全にロッテ落ちたなってくらいにかわいかった……。さすがの女装アンナさんもあののほほん笑顔は作れまい。


こうして考えるとニナもけっこう癒し系ですね。テンマの癒しパワーがすごいのでこれも霞んでしまいがちですが、彼女もいろんな人を癒してます。
ロッテもそうだし、アイシェ(トルコ人街焼き討ち事件)、ロッソさん(五杯目の砂糖)、リプスキーさん……それにテンマとヨハンももちろん中に入るかな。
だけど同じ癒し系でもテンマと違うのは、時々楳図顔になったり、ギーレンさんの首を絞めたりすること……。実は油断のならない女、それがニナ。


【追記】


ニナの場合、絵柄そのものは原作8〜9巻の頃のニナがいちばん透明感が感じられて好きなんですが、アニメ18話「五杯目の砂糖」を観返していたらニナがかわいくてかわいくてしょーがなくなってしまった(笑) これはもうニナのための回。ロッソさんとの関係も含めて萌えます。そういえばロッソさんもニナは笑顔のほうがいいって言ってますね。


しっかし、ウェイトレスの住み込みのバイトを始めたとたん、あんなにお客さんを呼び込めるようになるって普通にすごいです。行列ができるほどって、ニナたんはどんだけかわいいのか。アニメ独自の、お皿運びの練習シーンなんて仕種がキュートでたまりません。
能登麻美子さんのやさしい声もニナの魅力に大きく貢献していますよね。癒される…。


あんな調子で、リプスキーさんだけじゃなく、ドイツとチェコの各地でいろんな人を釘付けにしてたんだろうなあと思うと、ある意味罪作りな子かも(笑) 本人はヨハンのことで頭がいっぱいで、周囲のことまで気が回らないだろうから余計にね。トルコ人街焼き討ち事件の時には娼婦のふりまでしているし、ヨハンと合わせてつくづく魔性の双子だと思います……。


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[MONSTER]原作・キャラ語り | 20:52:34 | Comments(2) | Trackback(0) | ▲TOP

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