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実を言うと、去年日本語版の発売日に購入したものの、もう終わっちゃうんだなぁ…と思うとどうも読む気が起きず、そのまま最近まで放置していました。ダメなファンです。が、読み終えてしまえば、もっと早く読んでいればよかった!!と後悔。
やっぱりこの人について語らないでどーするの!ということで、スネイプ先生語りです。


↓↓↓以下は原作のネタバレですので、大丈夫という方だけ「続きを読む」をクリックしてください。映画のみの方はご注意ください。

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[ハリー・ポッター]原作 | 21:33:00 | コメント(3) | ▲TOP

ずーっと前に回していただいたバトンですが、W杯も終わり落ち着いてきたので、ようやく回答してみます。綾里未優さん、バトンありがとうございます。


↓↓↓以下はネタバレですので、未読の方はご注意ください。


■Q1 6巻を読む前、「Half Blood Prince」って、誰のことだと思ってた?

混血というからには、やっぱりリドルのことじゃないかと。でもローリングさんが否定していたので、ダンブルドアとかスネイプ先生を思い浮かべました。まぁその後すぐにネタバレを知ってしまったわけですが。


■Q2 もしもマグルである自分のお部屋の壁に額縁があって、誰か1人、好きな魔法使いが時々顔を見せてくれるとします。誰が良い?

もちろんルーピン先生です。スネイプ先生もいいけど、ここはルーピン先生で。でも絵とはいえ、先生が部屋にいると思うとちょっと気恥ずかしいかも。きっと嬉しくてニヤニヤしちゃいます。


■Q3 もしもあなたのおうちに屋敷しもべ妖精がいたらどうする?ハーマイオニーに怒られるから解放してあげちゃう?それとも・・・?

ズボラな私には必須なので、たぶん解放してあげません。


■Q4 ずばり、RABは誰だと思う?

色々なところで言われているとおり、レギュラス・ブラックじゃないでしょうか。
だけどその一方で、ローリングさんにはファンの推測を裏切ってほしいという思いもあります。アズカバンの時みたく、「やられた…そうきたか!」という新鮮な驚きがほしい。


■Q5 ダンブルドアの最期の「頼む・・・」の意味を推測しよう!

「今ここで殺してくれ」ですね。


■Q6 7つめのホークラックスを予想しよう!

グリフィンドールかレイブンクローの何かということですが……グリフィンドールは剣がすでに登場しているから、やっぱりレイブンクローの物でしょうね。でも具体的に何かはわからないな~。剣とセットということで盾とか?

バトンはここで止めておきます。答えてみたい方はお気軽に持っていってください。

[ハリー・ポッター]原作 | 22:43:18 | コメント(2) | ▲TOP

その1ではスネイプ先生中心に語りましたが、その2ではその他のキャラについて気になったことを書いていきたいと思います。


↓↓↓以下はネタバレですので、ご注意ください。


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[ハリー・ポッター]原作 | 21:08:25 | コメント(10) | ▲TOP

あとは最後の7巻を残すのみとなり、5巻以上に衝撃的だった6巻。日本語版を読む前に、いくつかのエピソードはネットでネタバレを知ってしまっていたのですが、それでもショックを隠せない内容でした。
その1ではその内のひとつ、スネイプ先生について語りたいと思います。もーこの人はほんっとーに毎巻驚かせてくれます。見事に翻弄されてますよ自分。


↓↓↓以下はネタバレですので、大丈夫という方だけ「続きを読む」をクリックしてください。


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[ハリー・ポッター]原作 | 18:56:36 | コメント(14) | ▲TOP
おなじみローリングさんの公式サイトでルーピン先生の誕生日が今日3月10日だと発表されました。
Happy Birthdayのコーナーに燦然と輝く"Remus Lupin"の文字!
うわーん先生おめでとう~。
嬉しすぎて画面を保存してしまったよ。ルーピン先生大好きだ。

先生は魚座だったんですね。
占星術にはあまり詳しくないので魚座がどんな星座なのか検索してみました。
http://poesie.hp.infoseek.co.jp/Pisces.htm
この星座生まれの人は、他人の心の苦労を見抜いたなら、見て見ぬふりをしたり、素通りしたりするのを許せません。
↓5巻ネタバレです。反転してください。
えっと、5巻のあれは……(汗)
まぁ本来はそういう性格なのかも。あの時は顔を逸らしつつも本当に辛そうな表情をしていたし。それに先生には複雑な背景もありますからね。初めてできた友達をなくしたくない一心だったんでしょう。

↑↑↑ここまでネタバレです。
http://www22.ocn.ne.jp/~fortune7/seiza.htm
優しく、慈悲の心にあふれていて、自分を犠牲にしても他人に尽くしてしまうところがある。結果的に精神が不安定になりがちだが、それでもいつも静かに微笑んでいるのが魚座である。
最後の「それでもいつも静かに微笑んでいるのが魚座である」に納得。
まさしくルーピン先生は魚座ですね。
スネイプ先生が堅実な努力家の山羊座だったり(1月9日)、ローリングさんが占星術に基づいて誕生日を考えているのがよくわかります。うーんおもしろい。

最後にもう一度。
ルーピン先生、お誕生日おめでとう。
[ハリー・ポッター]原作 | 19:51:46 | コメント(3) | ▲TOP
その2では先生の任務や登場人物たちとの関係の考察、
未来予想などをしてみたいと思います。
以下は5巻を含むネタバレです。





●騎士団での任務


現在一番不思議なことは騎士団で何をしているか、ですよね。
4巻の終わりにダンブルドアから特命を受け、5巻ではハリーに
スパイ活動のことを指摘されて先生もその通りだと言っています。

騎士団の当り障りのない情報だけをヴォルデモート側に流して
信用させ、デスイーターと振る舞いつつも実はヴォル側の情報を
ダンブルドア側に流している……そんな任務なんでしょうか。
危険な任務といえども、閉心術を心得ているスネイプ先生なら
本心を隠すのもお手の物ですからね。

しかしここで引っ掛かるのは4巻のヴォルデモートの台詞。
「一人は永遠に私(←あえて変えます(笑))の下を去った……
もちろん、死あるのみ」

スネイプ先生のことだと思っていたのですが、
実はカルカロフのほうを指しているのでしょうか?

5巻下P505のアンブリッジの台詞から察すると
ルシウスは先生を今でも自分たちの仲間であると認識しているようです。
ヴォルデモートの台詞がスネイプ先生を指しているなら
ルシウスが先生を高く評価するということもないでしょうし、
スパイ活動なんてとてもできないでしょう。

それともヴォルデモートはすべてを知ったうえで
スネイプ先生を泳がせているだけということなのでしょうか。
先生、1巻でヴォルが憑いているクィレルを堂々と脅していますし、
ないとは言い切れないのが怖いところです。

どちらにしろ、スネイプ先生とルシウス、ヴォルデモートとの関係は
これからも要注目ですね。

そして先生とルシウスの関係と同じくらい気になるのが
ドラコとの関係。
先生はドラコをファーストネームで呼ぶなど
スリザリン生の中でも扱いが違いますよね。
他のスリザリン生を名前で呼んだことはなかったはず。

けれどもドラコって、
大した苦労も知らない金持ちのボンボンで
親の七光りだけでいつも取り巻きを連れて威張り歩く奴ですし、
ハリーと対立していることを除いては
スネイプ先生の大っ嫌いなタイプの人間だと思うんですよねえ。

やはりドラコへの態度もルシウスを警戒しているためと
思ったほうがいいような気がします。
自分がまだ闇側の人間であると暗に主張しているのでないかと。


●暴れ柳事件について


ホグワーツ時代、ジェームズたちを嗅ぎ回っていたらしいセブルス少年。
そんな彼を疎んじたシリウスが、彼に暴れ柳の通路の行き方を教えたのが
暴れ柳事件の発端です。
このことをシリウスから聞いたジェームズが、
人狼化したリーマス少年に遭う前に引き返すようセブルスを止めて
彼の命を救ったというのがこの事件でわかっていることですが……。

ジェームズはリーマスを人殺しにさせないために
やったことなのかもしれないし、セブルスを助けようという意図は
全くなかったのかもしれない。
けれども結果的に、命を救い、救われる関係になってしまった
この二人。

スネイプ先生は、ジェームズのこの行動を
退学やアズカバン行きになるのを恐れたからだと思っているようですが、
それでも「借り」だと思ったのは事実ですよね。
だからこそ1巻でハリーを守ってくれたわけで。

この事件、3巻のダンブルドアの言葉がちょうど当てはまるのですよね。
「魔法使いが魔法使いの命を救うとき、二人の間にある種の絆が生まれる……」
という台詞。
この魔法使いの絆というのは当然ジェームズとスネイプ先生にも
言えるのでしょう。

ただ、スネイプ先生がハリーを助けたのは、
借りは返さないと気がすまないという先生の元来の性格から
来たものなのか、はたまた絆の魔力のようなものでそういう思考に
なってしまうからなのかは不明ではありますが。

この暴れ柳事件についてもペンシーブ(憂いの篩)で
詳細を知りたいものです。


●スネイプ×リリー?


妄想話になりますが、5巻を読んでスネイプ先生がリリーさんに
恋していたというのもアリかも…などと思ってしまいました。

1巻でスネイプ先生がハリーの父親を憎んでいたと知って
「実はハリーの母親を好きだったんじゃないの~?」なんて
冗談半分に思ったんですが、5巻でセブルス少年をかばうリリーさんを
実際に見ると、その可能性もなきにしもあらずだなと。

口では「穢れた血」なんて言ってはいましたが、
プライドの高そうなセブルスさんのこと、かばわれるというのは
相当傷つくはず。
ついあんな言葉を使ってしまったというのもあり得るのでは?
ましてや好きな女の子だったとしたら尚更です。
好きだとはっきり自覚していなくても、少なくとも意識はしていたのでは
ないかと思っています。


●スネイプ先生と「闇の魔術に対する防衛術」


1巻の初授業での演説を見る限り、魔法薬学に誇りを持っていそうな
スネイプ先生ですが、なぜか毎年「闇の魔術に対する防衛術」(DADA)
を希望してはダンブルドアに却下され続けているとのこと。

ローリングさんのインタビューによると
スネイプ先生がDADA教師になれないのは、
先生をDADA担当にすれば彼の最悪のものを引き出してしまうかも
しれないとダンブルドアがそう考えたからだそうです。

「闇の魔術に対する防衛術」は防衛術といっても闇の魔術そのものにも
深く関わる教科でしょうし、元デスイーターのスネイプ先生では
闇の魔術、ひいては闇側に取り込まれる危険がある、
ということなんでしょうか。

それでも、6巻は無理として7巻でついに夢叶ってDADA教師に……
なんてこともあるのではないかと想像しています。
何しろこれからも誰かが死ぬとローリングさんが自ら言っていますし、
ダンブルドアが死ぬ可能性だってあるわけですよね。

もし校長が変わるとなれば、スネイプ先生のDADA就任も
現実味を帯びたものになるのではないでしょうか。

それにしても先生とダンブルドアの関係も謎ですよね。

ダンブルドアはなぜあそこまでスネイプ先生を信用しているのか。
スネイプ先生もデスイーターであったにもかかわらず
なぜダンブルドアの陣営に加わったのか。

もしかして、この二人の間にも魔法使いの絆があるのかもしれませんね。
ダンブルドアは先生との関係に関して言及を避けていますが、
6~7巻で明かされることに期待しています。


●スネイプ先生の今後


先程死ぬ可能性と書きましたが、
私はスネイプ先生が壮絶な死を遂げそうな気がしてなりません。

すみませんすみません。
ファンとして不謹慎で恐縮なんですが、
7巻辺りでハリーをかばって死ぬ……ベタで陳腐でありがちですが
上で書いた魔法使いの絆がずっと続くものであるのなら
そんな展開もありそうだなと。
そんなことになったら先生もハリーも不本意でしょうけれどね。

そもそも5巻の「彼」の死があっけないものだったのは、
6、7巻で誰かが誰かをかばって死ぬ、なんて劇的エピソードが
あるからなのかもと穿って見てしまったり。

本当はもう誰も死んでほしくないけれど、
「ヴォルデモートが以前よりさらに偉大に、より恐ろしくなる」と
予言されている以上、避けては通れない道なんでしょうね……。

スネイプ先生について語ってみましたが、
考察していけばいくほど先生の謎が深まるばかりで、
早くも6巻が楽しみでしょうがないです。
スネイプ先生には最後まで目が離せませんね。
あんな予想しておいてなんですが、スネイプ先生死なないでください!


関連記事:
スネイプ先生ってどんなひと? その1
[ハリー・ポッター]原作 | 23:06:00 | コメント(7) | ▲TOP
5巻を読んでますます好きになったスネイプ先生。
巻によって印象ががらりと変わる不思議なところのある人ですが、
本当はいったいどんな人なのか?
その1では先生その人について考察してみます。
以下は5巻までを含むネタバレです。





●スネイプ先生の基本的な特徴


【セブルス・スネイプ(Severus Snape)】

痩身で、鉤鼻、土気色の顔をしている。
冷たく黒い目、肩まで伸ばしているねっとりした黒髪、
真っ黒なローブなど、黒ずくめの姿が特徴。
5巻時点で30代半ば。ハリーの父親と同期。
追記:誕生日は1月9日。

魔法薬学の教授でスリザリンの寮監。
「闇の魔術に対する防衛術」の教鞭を取ることを希望しているが、
なぜか毎年ダンブルドアに却下されている。

ホグワーツ入学時には多くの闇の魔術を習得していた。
また、閉心術にも長けている数少ない人物。

死喰い人(デスイーター)だったが、
今は騎士団員としてダンブルドア側にいる。

個性的なキャラの多いハリポタの中でも
かなり異彩を放っている設定のスネイプ先生です。


●スネイプ先生の魅力


一番好きなキャラクターは?と訊かれれば「ルーピン先生」と
答える私ですが、3巻まではスネイプ先生が一番でした。
今でもスネイプ先生が好きなキャラクターであることに
変わりはありませんけれどね。

1巻、ハリポタをまだ「世界名作劇場」のような話だとばかり思っていた頃。
ピカピカの1年生相手に魔法薬がいかに素晴らしいかを
詩のように華麗に披露し、ほとんど場違いのように登場したスネイプ先生。
先生が出ているページだけ妙に漂う空気が違い、
そんな先生にキュンとときめいたのがはじまりでした。

「賢者の石」では、悪役?と思わせておいて、実はハリーの命を救おうと
していたこと、それも憎んでいたハリーの父親に借りを返すためにしたという
複雑な人となりを見せてくれて好きなキャラクターに。

その後はジェームズに借りを返してスッキリしたように
ハリーを思う存分いびる先生ですが、決闘クラブで
ロックハート先生を吹っ飛ばしたりと格好良いシーンもありました。

が、3巻では寡黙で知的な人というイメージが崩れてしまうことに。
理性をなくし罵声を浴びせるなど今までの先生像からは信じられない
姿でした。
これも5巻を読んだ今となっては納得のいくものだったのですが。

3巻で評価が最低になったスネイプ先生ですが、
4巻ではデスイーターだったことが分かり、
ファッジを前に堂々と闇の印を見せるなど
3巻での印象をひっくり返したことで多くの読者が驚いたはず。

5巻では、両親が不仲であまり幸せとは言えない子供の頃や
同情を禁じ得ないほどの出来事があった学生時代が明かされ、
ハリーと同様初めて彼を可哀相だと思った人も多いでしょう。

巻によって与える印象がまったく異なるところが
スネイプ先生にはありますね。

スネイプという人は子供の読者には不人気で、
その理由として、ルーピン先生の正体をバラしたり、
スリザリン寮への贔屓が激しくそれ以外には理不尽な減点をしたり、
ジェームズの息子だからという理由だけでハリーを目の敵にしたり
といった陰湿で子供じみた性格、行動が挙げられます。

また、先生を語るうえで切っても切り離せないもののひとつに
ジェームズへの憎しみの感情があります。
あのペンシーブでの事件がその根底にあるのでしょうけれど、
成績優秀でありクィディッチの名プレーヤーでもある
人気者のジェームズに嫉妬や嫌悪の感情を覚えたのも確かだと
思います。
コンプレックスの塊ですよね、スネイプ先生は。

そんな彼もハリーの視点に縛られずに読めば意外と奥深い人物であることが
わかります。

5巻で印象的なエピソードの一つに閉心術の個人授業があります。
魔法薬の授業はわりとあっさりした教え方なのに、
閉心術では「立て! 立つんだ!」とその後ろに
「ジョー!!」が続きそうなほどの熱血ぶり。
ダンブルドアの命令とはいえかなり真面目に指導してくれました。

その後ハリーがペンシーブを勝手に使用したことに激怒し、
閉心術を教えることをやめてしまう先生ですが、
それでもアンブリッジに偽の真実薬を何食わぬ顔でしれっと渡したり、
アンブリッジに捕まったハリーの心をちゃんと読み取って
ハリーが見えないところで色々と動き回ったりと
やるべきことはきっちりとやっていました。
その他、3巻ではルーピン先生にわざわざ脱狼薬を持ってきて
くれたこともありましたね。

こうして行動を追っていくと、スネイプ先生の良さ、すなわち真面目で冷静沈着、
律儀であるところもわかってきます。

なぜスネイプ先生に惹かれてしまうのか。

それは、謎めいた雰囲気を漂わせながら
激情的な部分と理知的な部分、相反するものを持ち合わせ
一筋縄ではいかない人物だからなのでしょう。

そして先生の最大の魅力は、彼を支えているものが常に
「憎悪」の感情であることだと私は思っています。
憎みながらももうこの世にはいないジェームズに借りを返すために
息子のハリーを助ける、そんな矛盾にも思える行為をしたところに
スネイプ先生の魅力が詰まっていると思うのです。


関連記事:
スネイプ先生ってどんなひと? その2
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その2(親世代について)
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その3(キャラクター語り)
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 その1(スネイプ先生語り)
『ハリー・ポッターと死の秘宝』 その1(スネイプ先生語り)

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憂いの篩「スネイプ先生を考える」
[ハリー・ポッター]原作 | 13:19:00 | コメント(10) | ▲TOP
その1でネタバレなし、その2で親世代と来て、その3では脇役キャラに
ついて書きたいと思います。
以下は5巻のネタバレなのでご注意ください。



*******************************



【1】騎士団員

新しい登場人物で気になった人を。
まずは騎士団メンバーのニンファドーラ・トンクス。
七変化が得意だけど、実はうっかりさんという素敵な人。
ガムのような真っピンクの髪にもできたりとかわいすぎです。

同じく騎士団メンバーのキングズリー・シャックルボルト。
背の高い黒人で、深い声をしているという設定。
ピンチの時には機転を利かせたりと格好良い人ですね。
この人はぜひ映画で見てみたい。

上の二人は初登場した騎士団員の中でもなかなか印象的で、
今後どんな活躍をしてくれるか楽しみです。
どちらかが次の「闇の魔術に対する防衛術」の先生になったりするのかも?
…でもDADA教師は1年で去るのがお約束だから、そうなる状況を
考えるとならないほうがいいか。

その他にもたーくさんの騎士団員が登場しましたが、
再登場が嬉しかったのはディーダラス・ディグル。
1巻の時から韻を踏んだ名前がかっこよくて妙に気になって
いたんですよね。また会えて嬉しかったマイナーキャラです。
(私だけだろうな…)
フィッグばあさんはやはり魔法界の人間でしたね。
スクイブというのは意外だったけれど。


【2】ホグワーツ教師陣

今までで一番ムカついたキャラが、あちこちのサイトでも
言われている今回の「闇の魔術に対する防衛術」の新任教師、
アンブリッジ。
ファッジやリータなんてまったく目じゃありません。
もうヤバいです。あの罰則は腹が立つどころか気持ち悪すぎです。
正真正銘のサディストですよ。

ただこの人の存在でホグワーツの教師陣がいつにも増して
際立っていましたね。
アンブリッジとマクゴナガル先生の激しい舌戦や、
フリットウィック先生の気の利いたところが見られて楽しかったです(笑)


【3】ホグワーツ生徒

それ以外でも、アンブリッジがDADA教師になったおかげで(?)
Dumbledore's Army(DA)が結成されたわけで。
グリフィンドールの仲間たちだけでなく、ハッフルパフやレイブンクローの
「名前はあったものの埋没していた脇役キャラ」たちが大集結。
ハリーの教えのもと力をつけていく様子に嬉しくなりました。

ハリーがDAの一番最初に選んだのが、あの「エクスペリアームス」の呪文。
2巻、スネイプ先生が決闘クラブで使った時に初めて登場し、
それ以降どの巻でも大事なところで必ず使われるほど
物語のキーポイントとなる重要呪文です。

先生自ら教えた閉心術はハリーには習得できなかったのに、
武装解除術は先生が目の前で使ったのを見ただけで覚えたというのが
皮肉を感じますね~。
また、もう一つの重要呪文パトローナス・チャームを教えたルーピン先生と
スネイプ先生の立場が重なるのがおもしろいところです。


話をDAに戻して。
今までハリー・ロン・ハーマイオニーの3人組以外の生徒たちが
ヴォルデモートの戦いに関わるなんて想像もできなかったけれど、
魔法省に乗り込むのにジニー、ネビル、さらにはルーナまで付いて来たのには
驚きました。そしてデスイーターたちと魔法の乱戦!
シリウスの死(←反転してください)さえなかったらワクワクするシーンだったのに。
このDA、来年もやるんでしょうか。
次の先生が有能だったりしたらやらないのかな。
私はずっと続けてほしいけれど。

5巻はDAの中でもジニー、ネビル、ルーナの株が大幅アップ。
ジニーはずいぶん変わってしっかりした子になりましたね。
いや、これが本来の彼女なのかも。
ドラコを呪文でやっつけたりとかっこいい女の子になりました。
ハリーにもまっすぐに意見を言ったり、双子と踊ったり(笑)
彼女にもウィーズリーの血が流れていますね。
ルーピン先生ファンのディーンと付き合うことになったのも
ちょっと嬉しかったり。

ネビルの成長と活躍も嬉しい限り。
ネビルがDAの練習によってぐんとうまくなったのは
両親を廃人同様にしたヴォルデモートとデスイーターに敵討ちを
誓っているからなんでしょうか?
他のDAメンバーとは明らかに練習への入れ込みようが違いますし。
ドラコたちが聖マンゴの話をしているのを殴りかかろうとした
ネビルの気持ちを考えるとつらいけど、彼もやっぱりグリフィンドールの
寮生なんだと実感しました。
それに意外にも重要人物だったようで。
あの予言、最終的にはネビルも関わってくると思います。


そして今回初登場のルーナ・ラブグッド。
実はラブグッド家として4巻の上巻P112に苗字だけ出ています。
飛び出した目に個性的すぎるファッション、さらには言動まで変という
かなり不思議ちゃんなキャラクターですが私この子が大好きです。
いったいどんな風に話に関わってくるんだろうと思っていたら、
なんと神秘部にハリーたちと乗り込んで大活躍。
章題にもなっているし、なにより名前が意味深。
彼女は今後も話に絡んできそうです。

気になったのが彼女の蔑称。
そういえば3巻で「ルーニ、ルーピ、ルーピン~」とピーブズが歌ってましたね。“loony”は、「気が狂った(人)、ばかな」という意味です。
ルーナ…(ノД`)

5巻で一番好きなシーンが、最後のハリーとルーナの会話です。
絶望し、なにもかもどうでもよくなっていた時に
ルーナとの会話で彼女がいじめられていることを知るハリー。
怒りや虚無感といった感情が収まり、ルーナに静かな同情を寄せる場面で、
ハリーの優しさとルーナの飄々とした強さが心に残りました。

(…ただ、アクシオの呪文で隠された物も出てくるような気が(^^;
隠した相手は賢いレイブンクロー生だろうから、無効呪文のようなものを
かけていたんだろうか?)

まぁそんなわけで私はハリルナ万歳です。
ハリーにはこういう悠然と構えてる女の子のほうがきっと合うと思う。
チョウ・チャンはハリーに初恋をさせるためだけに出て来たキャラの
ようですしね。彼女は良くも悪くも女の子らしい女の子でしたね。
恋愛体質らしく、セドリック→ハリー→マイケル・コーナーとコロコロと
変わったのにはすごいと言うしか。

 
ジニー、ネビル、ルーナに比べてドラコはやっぱりへたれのままでしたねぇ。
アンブリッジ親衛隊といい最後の大ナメクジといい。
ハリーやDAメンバーが着々と力を付けていってるのに
ドラコをはじめとしたスリザリンキャラは相変わらずのカッコ悪さ…。
クラッブとゴイルなんて純血以外スリザリンに当てはまらないような(汗)
スリザリン寮って、狡猾で手段を問わないクールなイメージなんだけど、
それに当てはまるのってとっくに卒業したリドルとルシウスとスネイプ先生
くらいだ…。
まぁ、ハリーに今までにない怒りを感じていたようだから
次巻で大化けするのかもしれないけれど。


【4】ウィーズリー一家

まずはパ~シ~。 ファッジどころかアンブリッジをいい人だなんて
あんた見る目がなさすぎるよ……_| ̄|○
それもアーサーさんとケンカして家を出るとは…
彼は今後どういう立場になるんでしょうね?

モリーさんのボガートのエピソードは
家族(+ハリーも)への愛情と失うことへの恐怖が伝わってきて
心が痛くなりました。
それからアーサーさんが無事でほんっとーによかったです。
実はルーピン先生、スネイプ先生に次いで好きなキャラなので。
マグル製のものを見ただけで目を輝かせるおじさんは可愛すぎだ。

ロンは監督生になったりクィディッチのキーパーになったり大活躍!
……のはずなんですが微妙に影が薄く……
神秘部での戦闘でも情けなかったし(苦笑)
ハーマイオニーとの関係も進展しませんでしたね。6巻に期待。
そのハーさんは思い切り大人でしたね。
ハリーに恋のアドバイスをするとは思わなかったなぁ。
ここまで来るとほとんど敵なしです。

5巻でウィーズリーといえば双子。
フレッド&ジョージは格好良すぎだ―――!
あのピーブズが敬礼までするなんて双子の凄さがわかりますねー。
颯爽とホグワーツを去った場面は、重い5巻の中でも数少ない、気持ちのいい
名シーンでした。


【5】気になった大人キャラ

別の項目と重なるところもありますが一応分けます。
親世代についてのエントリーで書き忘れたことについて。
この5巻でハリーとスネイプ先生の溝はさらに深くなってしまいました。
ハリーのスネイプ先生への感情は今までは嫌悪だけだったけれど、
シリウスの死(←反転してください)をきっかけとして憎しみの感情も
出て来てしまったような。
スネイプ先生のほうはというと、ペンシーブの件で憎悪をさらに深くしたのかも
しれません。

だけど、シリウスがヴォルデモートに捕まったと思い込んで無謀な行動を
するハリーの意図をしっかり読み取って、騎士団のためとはいえ
ハリーを禁じられた森まで捜そうとしたりと、緊急時には頼りになる
スネイプ先生がいいですね。
普段の大人げない言動と、ぎりぎりのところで見せるどこまでも冷静な
行動のギャップが不思議な人です。

シリウスは4巻から思ってたけど、なんというかかわいい人ですなぁ。
ローリングさん公式サイトによると22歳くらいでアズカバンに収容されたせいで、
脱獄した今も精神的には幼い(というか若い)ままだそう。
だからなのか、ハリーとジェームズを混同してしまうところもあって
それがひどく悲しかったですね。
(↓反転してください)
シリウスが死んで悲しかったのはハリーだけじゃなく
ルーピン先生もそうですよね。
親友二人がいなくなってあとは裏切ったピーターだけ。
先生があまりにも不幸すぎる……。・゚・(ノД`)・゚・。

(↑ここまで反転)
先生には幸せになってほしいです。本当に。
でも優しいだけ、可哀相だけじゃないのがルーピン先生。
最後、ダーズリーににっこり愛想よく脅すシーンで先生の腹黒さが
表れていてよかったです。

……そういえばもう「先生」じゃないんですよね。
でもハリーみたいにルーピンと呼び捨てにはとてもできないし、
ルーピンさんじゃしっくり来ないし。
というわけでこのままルーピン先生で呼びます。


最後はダンブルドア。
初期の頃はなんでもお見通しの偉大な魔法使いといった
イメージでした。しかし4巻辺りから彼も万能ではないことが表れ始め、
5巻に至ってそれが決定的となりました。

しかもその人間らしさや弱さというのが、ハリーの存在によって初めて
露顕されたのかもしれないというのがダンブルドアの複雑なところ。
何もせずにいることで不幸になるかもしれない多くの人たちより、
ハリーの幸せを優先したかったダンブルドア。
ハリーを孫のように思っていることがよくわかりますが、
そんな気持ちを抱ける人間を背負い込むことになろうとは
夢にも思わなかったとの言葉に引っ掛かりました。

ダンブルドアに家族はいないのでしょうか?
公式ではダンブルドアは150歳くらいなのだそうですが、
奥さんとか子供とか、今でも今までにも
いなかったのでしょうか。
この人もけっこう謎なところがありますよね。
もしいなかったのならずいぶん孤独な人なんだな、ダンブルドア…
ハリーの作った組織が“Dumbledore's Army”だと知って嬉しかっただろうなぁ。



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キャラクター語りだけでこんなに長くなってしまった…
これでもヴォルデモートやデスイーター、ハウスエルフまでは
書いていないんですけどね。ハグリッドも。(←ヒドイ扱い)
まぁ、ハリー・ポッターはキャラクターの多さも
話を彩る上での重要な要素なので語らないわけにはいかず
ということで。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


関連記事:
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その1(ネタバレなし)
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映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 その2(キャラクター感想)
[ハリー・ポッター]原作 | 22:54:00 | コメント(4) | ▲TOP
その2では一番興味のあった親世代について語っています。
以下は日本語版5巻のネタバレが満載なのでお気をつけください。





******************************






↓反転してください。隠している箇所はとくにネタバレ大の危険が
あります。

今回一番思ったこと。
ローリングさん、容赦なさすぎ………。
シリウスの死も、親世代4人組の過去の描写も。

シリウスが死んだという事実もつらいのですが、死に方が
あまりにも格好悪すぎだ………_| ̄|○
彼が死ぬというのはネットで偶然ネタバレを見て知っていたので
覚悟はしていましたが、ハリーをかばって死ぬとか彼らしい
最期だろうと思っていたのに、なんてあっけない逝き方なんですか…。

正直シリウスの死は実感が湧かないのですが、
本当に死んだのでしょうか……。
ベールの向こう(英語だと”あの世”の意味があるそうですね)に
行っただけで亡骸を見たわけではないし。
あとがきを読むとやっぱり死は確実なような気もしますけど…。



ジェームズさんにしても人気のあるキャラにああいうことをさせるなんて
ローリングさんすごすぎる……。
彼の場合、今までいい面ばかり描かれていたから
スネイプ先生にあんな酷いことをしていたなんてとても信じられなかった訳で。

でもショックだった反面、とてもリアルだとも思いました。
誰だって、いいところだけじゃない。
人気者だからこそ持ってしまう奢りや、残酷な面もあるでしょう。
それにあの15歳の時点ではジェームズは精神的に幼いですよね。
7年生で「高慢ちき」じゃなくなり、リリーと付き合うようになったということは、
6年生辺りで彼の身に何か、それこそ価値観が変わるぐらいの
事件が起こったのではないかと想像しています。

また、暴れ柳事件のことも本当のところはどうだったのかまだわかって
いないことが多いので、これも今後明かされていくでしょうね。
親世代に関してはあのまま放置というのはないと思いますし、
ジェームズさんの名誉挽回もきっとあることだろうと期待しています。


対して、スネイプ先生。
以前、ジェームズさんとスネイプ先生の関係はハリーとドラコのようだと
ダンブルドアが言っていましたが、ペンシーブのスネイプ先生の記憶に
限って言えばとてもそうは思えないですよね。

実際みんなが言うように二人で呪いをかけ合っていたとしても、
あの記憶ではスネイプ先生はほとんど一方的にやられている。
あの後どうなったのかはわからないけれど、やっぱり下着は
下ろされているでしょうね。
だからこそ「スネイプの最悪の記憶」なのだし。

5巻では両親が不仲だったらしいこともわかり、
今まで謎だらけだった先生のことが少しずつ明らかにされてきました。
4巻まではどうしてそこまでジェームズさんを憎むのか疑問だったのですが、
やっぱりあの記憶を見せ付けられれば、プライドの高い彼が
憎しみを覚えるのは当然だったとしか言いようがありません。

だけどハリーはジェームズじゃない。
二人とも他者の暴力に遭うという辛い経験をしていて、
しかもお互いそのことを閉心術を通して知っている。
ハリーなんてスネイプ先生の過去を知った時、初めて彼を「可哀相だ」と
思ったのだし、いつか二人には和解してほしいなんて思って
いるんですが無理なんでしょうか?

もちろん、先生にはハリーがジェームズそっくりの姿でただでさえ忌々しいのに
ペンシーブを勝手に使用して許せないという気持ちがあるだろうし、
今のハリーはシリウスが死んだことを先生に責任転嫁しているので
和解は相当難しいでしょうけど……無理かなぁ……。

そう言えばスネイプ先生が閉心術の授業をやめた後、ルーピン先生が
彼を説得したんですよね。
スネイプ先生はハリーが謝りに来るのを待ってたんじゃないのかなーと
思っているんですがどうなんでしょうね。

どちらにしろ5巻でますます好きになったスネイプ先生でした。
この人は本当に深いキャラクターですね。


親世代と言えば絶対に外せないルーピン先生。

先生、おかえりなさい。また会えて嬉しいです。
5巻を読んだ後もやっぱり彼が一番好きだと再確認しました。
モリーさんを優しく慰めたり、実はみんなのまとめ役だったり、
彼らしいなと思うことがたくさんありましたね。

しかし、前にも増して貧乏になっているとは思いも寄らず。
アンブリッジめ…。反人狼法が撤回されることはないんでしょうか?
やっぱりアーサーさんが魔法省大臣にならなきゃダメだな。
それにしても騎士団って給料出ないんだろうか?
先生忙しいくらいに働いているだろうに。

優しくて人気のあるルーピン先生ですが、あのペンシーブの過去で
彼にがっかりしたという人もいるみたいですね。
ジェームズたちがスネイプ先生にひどいことを仕掛けても、
眉をひそめつつも見て見ぬふりしかできなかったルーピン先生。

彼の弱さが現れたシーンですが、私は先生の少年時代らしいなと
素直に思いました。
シリウスがアニメーガスだと知りながらも校長に言えなかった
3巻での先生と重なったんですね。
多くの人が持っているような弱い面も描かれたことで、
彼が単に優しく良い人という記号のようなキャラクターではなく、
良いところも悪いところも混在する人間らしい人間なんだと
納得できたのです。


リリーについて。
ハーマイオニーのような正義感の強い女性だったみたいですね。
赤い流れるような髪に鮮やかな緑の目って、すごく綺麗な人
だったんだろうなぁ。ジェームズさんに好かれまくってるし。
”LE”と試験用紙に落書きしているジェームズさんは可愛かった(笑)
それにしてもリリーさん、最初はジェームズさんのことずいぶん嫌って
いたんですねー。
この二人が付き合うようになったきっかけ、ものすごく気になります。
きっといろいろあったんでしょうねぇ…。


最後にピーター。彼は想像通りでした。
しかし、シリウス・ジェームズコンビが仲がいいのはわかるとして、
4人が仲良くなったのはどういうきっかけだったんでしょうかねー。
やっぱり寮の部屋が一緒だったのかな?
ペンシーブの最初のほうは本当に今の状況が信じられないくらい
平和で、それが一段と切なかったです。


親世代のエピソードや過去が衝撃的だった5巻。
それでも私はあの魔法いたずら仕掛け人の4人組が大好きです。
もちろんスネイプ先生やリリーさんも。
ハリーたちの世代の話と平行して、6、7巻ではもっと深く親世代について
語られることを楽しみにしています。



関連記事:
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その1(ネタバレなし)
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その3(キャラクター語り)
スネイプ先生ってどんなひと? その1

関連blog:
Sunnydays「ハリポタ読み終わりました」
[ハリー・ポッター]原作 | 23:14:00 | コメント(4) | ▲TOP
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 ハリー・ポッターシリーズ第五巻
J. K. ローリング J. K. Rowling 松岡 佑子


感想がかなり遅くなってしまいましたが、やっとUPすることが
できました。
5巻は本の厚さもさることながら、かなり濃い内容でしたね。
その1ではネタバレなしの感想でいきます。

全体的に今までと比べて想像以上に重く、暗い話でした。
ストーリーはもちろんのこと、ハリーが反抗期を迎えてやたら不機嫌で
怒りっぽいので、それも5巻の暗さに反映されていましたね。
ハリーは本当に、1巻の頃のあどけなさが懐かしいくらいに初っ端から
黒くなっていましたねえ。

この5巻は、他のキャラクターもちゃんと成長しているのがよくわかって
感慨深くなりました。
巻を追うごとにハリーたちが少しずつ成長していくのを見るのもハリポタの
おもしろさのひとつですね。

これまでに登場したキャラも総出演し、残り2巻でいよいよヴォルデモート卿
との戦いに入っていくのかと予感させる5巻でした。
これまでのまとめのような位置付けの巻だったからなのか、
5巻のページ数は尋常ではないほどなんですが、ちょっと苦言を。
もっと短くできなかったのでしょうか?

伏線をあるゆるところで張っている話なので、はっきりとあの辺りを
切るべきだとは言えないのですが、それでも省くところは省けたのではないかと。
3巻くらいの厚さがちょうどいいと思うのですが、魅力的な人物が
多数いるので、気に入ったキャラのエピソードをローリングさんが
つい入れすぎてしまったのでしょうか?

日本語版に至っては上下巻に分かれていて値段があまりにも高額すぎ。
原書は1冊なのに、2冊に分けて値段も2冊分にするのはどうかと思うのですが。
売れるのは最初からわかっているのだから、もう少し安くできたのでは?

読売新聞10月1日付夕刊によると、5巻の売れ行きが思ったよりも鈍く
大量に在庫が残りそうだとありました。
これには様々な要因があるんでしょうけれど、理由の一つに値段が高すぎる
ことが挙げられるのは間違いないでしょう。

あと、日本語版についてですが、今回ルビについて「ん?」と思うことが
あったのでそれも。
4巻まではたとえば吸魂鬼にはディメンターとカタカナのルビを振っていたのに、
今回は一度だけその表示で後はほとんど吸魂鬼+きゅうこんきとなって
いました。他の言葉も同様です。
守護霊を「パトローナス」ではなくそのまま「しゅごれい」としたり。
今までの表記が好きなのでなんだかもったいないなあと。
6巻では前の表記に戻してほしいです。

他にも、ヴォルがやっぱり俺様だったり、ハーマイオニーが
「後生だから!」なんてありえない言葉を言ったり。
訳についてはもうキリがないんですが、どうしても気になってしまいますね。
ヴォルデモート卿なんて自ら”Lord”の称号をつけるくらいなんだから、
もっと品のあるイメージなんですけどね。トム・リドルのイメージでもそう。
仕方なく脳内で「私」と変換して読んでいます。「予」でもいいかも。
英語だと”I”で済むんですけどねー。


つい文句を言ってしまいましたが、私はこの5巻、嫌いではありません。
5巻では1~2巻の頃のような明るさがなくなり、恒例だったラストの
どんでん返しや爽快感もなく、終始不穏な空気を漂わせています。
主人公のハリーがずっとイライラしっぱなしなことや、
今回就任したあの先生が不気味なこともそれに拍車をかけていますね。

けれども謎だったことが少しずつ明かされ、ハリーが今まで一辺倒に
思っていた価値観が崩れ始める辺りの描写は興味深く、
「闇の魔術に対する防衛術」を通してハリーの同級生たちが寮の垣根を
越えて結束していくところなどは、6、7巻への期待を膨らませずには
いられないほどです。
7巻のラストへ布石が打たれた巻でもあり、今後が本当に楽しみです。
……怖くもありますが……。


関連記事:
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その2(親世代について)
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その3(キャラクター語り)

関連blog:
徒然帖。「『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』読了」
サボテン島のハリネズミ「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
The Little Bookroom「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
見もの・読みもの日記「戸惑う少年/ハリー・ポッター第5巻」
遊BROG「読み終えるまで約6時間(「ハリポタ不死鳥の騎士団」ネタばれあり)」
[ハリー・ポッター]原作 | 23:10:00 | コメント(7) | ▲TOP
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (3)
私は原作3巻の「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」が4巻までで一番好きです。
映画アズカバンが公開され、9月1日には日本語版5巻「不死鳥の騎士団」が発売予定のこの次期に、あえて原作3巻の感想を書こうと思います。
5巻にはルーピン先生が再登場するらしいですし、彼に会えるまでに思い入れのある3巻を文章にしてみたいと思ったわけです。

↓↓↓以下は原作3巻のネタバレですので映画のみの方は
ご注意ください。
本を読む時に面白さが半減してしまいます。




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アズカバンの魅力といえば
やはりドラマチックなストーリーが挙げられます。
1巻から仕掛けてあった伏線の数々が見事に収束していく所などは
気持ちいいほど。

ハリー・ポッターは1冊のページ数が多く、出てくるエピソードも膨大です。
それでも個々のエピソードが無駄になることなく、意外なつながりを
見せながらパズルのピースのようにキチッとはまっていく様には
感動すら覚えます。
ハリポタはミステリーの形態を取っているのでそれが顕著に
現れていると言えるでしょう。
叫びの屋敷でのシリウスとルーピン先生の告白には誰もが
驚いたに違いありません。
そしてその明かされた真実によってこの話がただ単純な夢物語
などではなく、人間の愚かさや醜さ、弱さをも作者は描こうと
しているのだとわかります。

たとえば、ピーターが犯してしまった直接的な罪。
ヴォルデモートに付け入れられた弱さと、友人ジェームズを裏切った
彼の闇。

リーマスを疑い、結果的に親友ジェームズを死なせることになって
しまったシリウスの罪。
彼はアズカバンで後悔と憎しみだけを糧にして生きることに。

そしてジェームズの死により友人たちを一度に失ってしまったリーマス。
差別と孤独に立ち向かわなければならなかった彼の苦悩と葛藤は
想像を絶するものだったことでしょう。

親世代の悲劇は、彼らの幸せだったであろう学生生活が忍びの
地図などから伝わってくる分、さらなる悲劇性を増し、物語の中でも
非常に際立っています。

「ハリー・ポッター」は、意地悪な叔母夫婦に育てられ虐められた
少年が実は魔法使いで魔法世界のヒーローだった、そんなお約束の
物語をかたどってはいます。
しかし、その底辺には人間の不条理や残酷さ、やり切れなさと
いったものが流れ、そんなリアルな部分が子供だけでなく
大人にも読まれているのでしょう。


エピソードを個別に見てみても、アズカバンは魅力的なシーンが
他の巻と比べて凝縮されているように思います。
キーワードはずばり父親。
ハリーと亡き父親との絆、また父親の役割を果たす二人の人物との
関係が、他の巻にはない温かく切ない感動を生み出しています。


その一人、ルーピン先生はずっとハリーを支えてくれた人物です。
ディメンターが近づくと母の死の間際の声が聞こえてくると吐露した
ハリーを衝動的に抱きしめようとして、すぐに思い直したように手を
引っ込めたルーピン先生。
さらりとした描写ですが、真実を知った後で読むと彼の心情に切なくなります。

ルーピン先生がハリーにパトローナスの呪文を教えてくれるシーン。
ホグズミードに行けないハリーのためにバタービールを持ってきてくれた
ところは、先生の優しさに嬉しくなりました。

命が狙われているにもかかわらず、無茶な行動をするハリーを厳しく
たしなめるシーンは、先生がただハリーに甘いだけじゃないことが
わかって印象的なシーンです。
ダーズリーのように理不尽に怒鳴るのではなく、スネイプ先生のように
私怨で叱る(まあ、彼は彼なりにハリーを守っているとは思いますが、
あれじゃ子供は反発します(^^;)のでもなく、大人から公正に叱られた
ことはハリーにとって今まであまりなかったことではないでしょうか。
ハリーも普段優しい先生に叱られて素直に反省していたし、まさに
父親的存在としてルーピン先生を信頼していたことが伺えます。

最後の別れのシーンは哀しくて涙ぐんでしまいました。
ハリーが思い切って「先生は今までで最高の『闇の魔術に対する
防衛術』の先生です! 行かないでください」と訴えても先生は首を
振るだけ……。
もう先生ではないからと忍びの地図をハリーに渡し、ジェームズの
ことを語るルーピン先生は、幸せだった頃に想いを馳せているようでも
ありました。
「またいつかきっと会える」と言ってくれたルーピン先生の言葉、
信じていいんですよね!
ダンブルドアから逃げるように、ハリーにちらりと笑顔を見せて去って
いった先生に、彼の弱さと強さが汲み取れました。


もう一人、ハリーの名付け親であるシリウスとのシーンも少ないながらも
印象的。
例のプロポーズシーンは読んでいるこちらも嬉しかったですね。
毎度毎度の辛いダーズリー家のシーンに飽き飽きしていたので、
次の巻からはシリウスとの生活なんだ!とハリーと同じような気持ちに。
痩せこけたシリウスの笑顔の裏に、快活に笑っていた10年前の顔が
見えたというくだりは映像として見えてくるような名シーンです。

その淡い夢もつかの間、ディメンターに襲われるシリウスを助けるため
パトローナス呪文を唱えるハリー。
このシーン、ハリーの「シリウスと暮らすんだ」と必死な姿に胸が痛くなる
ばかりでした。
幸せな想い出がパトローナス呪文の鍵ですが、この時のハリーにとっては
クィディッチ優勝などではなくシリウスと暮らすことだけが思い浮かべられる
唯一のことだったんですよね。
ハリーがどれだけ親の存在を求めているかがわかるエピソードです。

タイムターナーによってシリウスを救うことができたハリー。
帰りのホグワーツ特急の中、豆ふくろうがシリウスからの手紙を運んで
来るシーン。
作品中いちばん胸が熱くなったシリウスサインの「ホグズミード許可証」。
これにはやられました。シリウスさん、本当に気が利くなあ。
ペットのいなくなったロンにも豆ふくろうをプレゼントしたりと幸せな気分が
漂う感動的なラストでした。


アズカバンではシリウスとルーピン先生、二人の台詞から彼らと友人
だったハリーの父親ジェームズの存在が浮かび上がります。
ハリーを守って死んだ父親、という記号的存在ではなく、ハリーたちと
同じように泣いたり笑ったりの学生生活を送ってきたリアルなキャラクター
だったことが作中のあちこちで見て取れます。

そんなジェームズとハリーの絆を示すシーンがあの湖での場面です。
未来から来た自分を過去ハリーは父親だと思い込むものの、結局は
それは間違いだったとわかります。
それでも自分のパトローナスがジェームズのアニメーガス姿と同じ
鹿であったことから、自分の中に間違いなく父親がいることを悟る
のです。

漠然と親を欲していたハリーが父親の確かな愛を受け止めるこの
シーンは、暗闇の中で光るパトローナスの姿と重なって、じんわりと
心に光が満ちていくようなそんな場面でした。


こうして原作をラストまで読み終えたあと、改めて表紙を見ると
ちゃんと「ムーニー・ワームテール・パッドフット・プロングズ」が
描かれていることに気付き驚くことでしょう。
輝く満月に手前の大きな鹿、今にも救い出されようとしているシリウスの
小さな影、左隅で様子を伺っているねずみの姿。
ハリポタの表紙は各国で違いますが、緑の色調で統一された
この日本語版がいちばん美しいと信じて疑いません。



長々と語ってしまいました(^^;
「アズカバンの囚人」はハリーが父親の友人たちと出会い、両親の死の
真相を知り大人へと成長する物語です。
ヴォルデモート卿復活へ話が大きく動いていく巻でもあり、
「ハリー・ポッター」の面白さが如何なく発揮された巻だと思います。
個人的に、両親の仇を取りたいと憎しみに駆られていたハリーが
真犯人を前にして行なった行為によって、5巻以降どんな影響を及ぼすのか楽しみです。


関連記事:
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その1(ネタバレなし)

映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
DVD「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」感想 その1
[ハリー・ポッター]原作 | 20:54:00 | コメント(6) | ▲TOP

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