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2005年09月の記事

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過去に登場したいくつもの伏線が収束する回。雨のルーエンハイムで一人ひとりの思惑が交錯していきます。

【あらすじ】
激しい死闘を繰り広げるルンゲとロベルト。ロベルトが何者なのかを訊いたルンゲに、ロベルトはある記憶を話し始める。彼はグリマーの語った511キンダーハイム時代の思い出に登場する、グリマーと約束を交わしたあの少年だった。途中形勢が不利になるものの、逆転に成功したルンゲはロベルトに銃を突きつける。
ルンゲが赤いバラの屋敷で見つけた「怪物のラブレター」は、ボナパルタが双子の母親への恋心と悔恨を書き綴ったものだった。バラの屋敷の惨劇は、双子の母親に恋をしたボナパルタが彼女と双子を助けるために引き起こしたのだった。
ニナとギーレンはボナパルタが絵を描くのに使用していた「吸血鬼の家」に足を踏み入れる。双子ばかりが何枚も描かれた未完成の絵を見て、不意に幼少の頃の記憶を思い出すニナ。記憶はバラの屋敷から戻ったニナと三匹のカエルに一人で待っていたヨハンの当時のやりとりだった。この時と同じようについ先ほどもこの絵を見て泣いていたというヨハンを思い、ニナはある決意をする。

ルンゲ警部とロベルトの壮絶な戦い。
いつも無表情のルンゲ警部だけれど、孫のことをロベルトに突かれて動揺する彼は、本質のところではやはり人間らしい人間なんですね。
そしてロベルト。ここへ来て彼の正体がわかります。第47話「悪夢の扉」での伏線がロベルトにつながる見事な構成。普段はコワイウザイキモイなロベルトですが(笑)、ココアの話をする時だけはやさしい目をしていました。もしグリマーさんと会って記憶を取り戻すことができたのなら、終わりの風景に固執することもなかったのかもしれません。


ボナパルタが双子の母親への想いを書き綴った怪物のラブレター。
「一番罪なことは人の名前を奪い去ること。名前を取り戻そう。君に名前を返そう。君の名はアンナ。今はただ悲しい……悲しい……悲しい……悲しい……」
この手紙で、双子の母親も洗脳によって名前を奪われていた一人だということがわかります。アニメでは「悲しい……」の部分と合わせて細かいカットがなされ、よりボナパルタの悲しみを印象づけていました。


双子の母親への恋心を自覚した瞬間、計画を放棄し、彼女と双子の存在を実験の関係者から隠すために赤いバラの屋敷の惨劇を引き起こしたと告白したボナパルタ。
それまで静かで弱々しい口調だったのに、テンマに振り返り一言「それだけだ」と言った彼は、迫力さえも感じさせました。双子の母親へ突然抱いてしまった恋心も、計画より恋を優先し彼女と双子を助けるために多くの人間を殺してしまったことについても、こればかりは後悔してはいないのでしょう。ボナパルタにとっては双子の親子三人のほうがずっと大事だったのだから。


双子がリーベルト夫妻とともにテレビに映っているのを見て、たまらずリーベルト夫妻の家へ向かったボナパルタのシーン。第57話「あの日の夜」でも出てきましたが、ボナパルタはただ双子に会いたかっただけなんですよね。そしてヨハンはただボナパルタ=怪物が怖かっただけ。ボナ博士の心情、ヨハンの心情、どちらもわかるから切ないです。
(次回73話ネタバレ→)せめてボナ博士の「怪物になんかなっちゃいけない」という言葉がヨハンにも伝わっていたら、ボナ博士はもう怪物ではないことがわかったかもしれないのに。ああ……切ない。(←ここまでネタバレ)


今回の話で一番難解だったのが、後半まるで何かに取り憑かれたかのようなニナの言葉だったと思います。上のあらすじにも書きましたが、あれは赤いバラの屋敷から逃げてきたニナと、ニナと同じ女の子の格好をして三匹のカエルで一人待っていたヨハンのやりとりです。ニナとヨハン、どちらの台詞なのかわかりづらいので、下に書き出してみました。

ニナ「ただいま」
ヨハン「おかえり」
ニナ「あたしね……怖いものを見たの……。とってもとっても怖いもの……。たくさんの人が死んでいったの……。赤いバラの屋敷……みんなお酒を飲んだの……。そうしたら…そうしたら……みんな苦しんで折り重なるようにあたしの目の前で……!!」
ニナ「お母さんはどこ……?」
ヨハン「ごめんね……」
ニナ「何をあやまってるの?」
ヨハン「あの時……」
ヨハン「二人で生きていかなくちゃ……二人で生きて……」
ニナ「なんで泣くの……? なんで泣いてるの? 泣かないで……!! 泣かないで!! 泣かないで!!」

ヨハンはついさっきまであの時みたいに泣いてたというニナの台詞から推測しました。たぶんこれらの台詞は記憶のまま子供の頃のものだから口調も幼いのですね。
ヨハンが涙を流してニナに謝っているのは、自分ではなくニナがバラの屋敷に連れて行かれてしまったからでしょうね。自分の代わりに怖い思いをさせてしまったことを謝っているのでしょう。
(最終話ネタバレ→)とくにヨハンは母親に間違われたかもしれないと疑念を抱いている。ニナと同じ格好をさせられて名前を呼ばれることもなかったから、母親が自分を“ヨハン(男の子)”だとちゃんと認識していたかどうかもわからない。結果的に連れて行かれたのはニナのほうだったけれど、本当だったら自分が連れて行かれてもおかしくなかったと思っているのですね。ヨハンの「あの時……」という台詞は母親の選択のことでしょうから。(←ここまでネタバレ)


さらに、ニナとは別に母親が連れて行かれるのを止めることができなかったからというのもあるのかもしれません。(最終話ネタバレ→)ニナが帰ってきた時に母親がいなくなっていることから、母親もあの後別に連れて行かれてしまっているはずです。(←ここまでネタバレ)


どちらにしろヨハンはニナに対して罪悪感を覚えていたのだと思います。こうして見るとヨハンは繊細で優しい子だったのでしょうね。人一倍優しいから、自分だけ助かったことを悔やんでニナに泣きながら謝って。
双子の記憶が入れ替わったのは(正しくはニナは記憶を忘れ、ヨハンがニナの記憶を自分のものと思い込んだ、ですが)、この罪悪感とニナへの負い目が最大の理由だった気がします。怯えて震えているかわいそうなニナの話を聞き、屋敷で体験したニナの中の怪物を全部背負った結果生まれたのが、怪物としてのヨハンなのでしょう。


生まれながらに優れた頭脳を持つヨハンなら、この時ニナに催眠術のようなものをほどこして記憶を忘れさせたとしてもおかしくはなさそうですし。
第67話「ただいま」でニナがヨハンを撃てなかったのも、ニナの中の怪物をヨハンがすべて引き受けてくれたのがわかったからですね。


それにしてもボナパルタの絵を見て泣いていたというヨハン。彼はどんなことを感じ、どんなことを思って泣いたのでしょう。ヨハンもあの絵を見た瞬間、ニナと同じように二人のやりとりを思い出したのでしょうか。(最終話ネタバレ→)そして双子の母親に選別された時のことを鮮明に思い出したのだろうか。(←ここまでネタバレ)
ボナパルタの気持ちは彼に伝わったのでしょうか。もう怪物ではなくなり、このルーエンハイムで双子のことを思いながら過ごした彼をヨハンはどう思ったのでしょうか。
子供の頃も今も、ヨハンが涙を見せる、あるいは悲しそうな表情を見せる時は具体的に描かれず、ニナの言葉を通してのみなので、想像するしかないのだけれど……ヨハンの泣き顔……見てみたいです。かわいいだろうな……(オイ)

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[MONSTER]アニメ他 | 00:23:32 | コメント(0) | ▲TOP

人間は感情をなくすことはできない。ずっと探し求めていたものをようやくつかむことができたグリマーさん。彼の言葉と涙に心を打たれました。

【あらすじ】
ついに再会を果たしたテンマとルンゲ。ルンゲはボナパルタの居場所をテンマに告げ、「すまなかった」と言葉を残して、ロベルトのいるホテル・ベルクバッハへと向かう。
ニナとギーレンはテンマの助けで町から逃がれてきた人々に警察への連絡を頼み、テンマが向かったというホテル・フェアシュテックへ向けて走りだす。
そのフェアシュテックで篭城していたグリマー、ボナパルタらは、向かいの建物から銃撃を受ける。意を決して外に出たグリマーは、向かいの建物に立てこもる男達に今していることの意味を強く問うが、町の娘が目の前で殺され、激しい怒りに駆られてしまう。
男達を倒し、自らも深手を負ったグリマー。超人シュタイナーではなく自分の意志でやったのだと駆けつけたテンマに話した彼は、今になって自分の子供が死んだことが悲しいと語り、静かに息絶える。己の過ちの重さを思い知ったボナパルタはただ泣き崩れるしかなかった。

降りしきる雨が醸し出す陰惨な空気、ルーエンハイムの町が陥った異常な恐怖、テンマとルンゲ警部の再会と和解、グリマーさんに駆け寄った女の子の無惨な死、グリマーさんの怒り、叫び、涙、言葉、ボナパルタの心からの後悔。どのシーンも手抜き一つない素晴らしい作りでした。丁寧な作画や演出、場面の一つひとつが生きる音楽と、このアニメの良さが存分に味わえる回だったと思います。


今回はグリマーさんがメインの話ですが、それは後にしてまずはルンゲ警部について。
テンマを犯人と決め付けていた頃の勘違いぶりはどこへやら、ルーエンハイムに入ってからのルンゲ警部はとにかく格好良いです。テンマに後ろ姿で謝罪するシーン、ライフルを構えてロベルトのいるホテルに進入するシーン。どちらも格好良すぎてメロメロですわ。
とくにホテルに進入する時にうっすらと汗をかいていたところ、敵に惑わされずに銃を容赦なく撃ち、相手の腕を踏みつけて口に銃口を向けるところなど、アニメ独自の細かい描写がよかったです。


ソーセージ屋の女の子はグリマーさんと同様、死んでしまうとわかっていてもやっぱりそのシーンになるととてもつらかったですね。せっかくテンマに会えたのだから、あの時一緒に付いていけば死なずに済んだかもしれないのにと思うと…。
ただこの人は、アニメではエルザと名前が付いていたり(エンドロールで確認)、原作より美人さんに描かれていてスタッフからもひいきにされていましたね~。


アニメだけのシーンといえば、物音(というか奥さんを殺された男性の泣き声)に突然銃を構えたテンマに驚いたこの女の子に、「しー」と人差し指を口に当てる仕草をしたテンマがめっさかわいかったです。やー、いいものを見せていただきました。萌えー。


それはともかく。多くの人が涙したと思われるグリマーさんの最期のシーン。
私も例にもれず泣いてしまいました。アニメでこのシーンを最初に観た時にはじんわりと、巻き戻して観た時にはもう目が熱くなって涙をぽろぽろと流していました。
話の展開はわかっているのに、これほどまでに感情移入できるとは。グリマーさんの悲しみを見事に演じきった田中秀幸さんの演技力、グリマーさんの言葉が心にしみわたるように流れた音楽。すべてが秀逸で、のめり込んで観ることができました。


とりわけよかったのが、グリマーさんの「人間は感情をなくすことはできない」の言葉の時に映し出されたボナパルタの表情。このシーン、原作ではボナパルタに特にクローズアップするということはなく、あくまでもグリマーさんの言葉がメインでした。
けれどアニメでは、グリマーさんの言葉に乗せるようにボナパルタの悲しみに満ちた表情を映し出すことによって、グリマーさんの言葉がそのままボナパルタにも通じるのだと思わせる、効果的な演出になっていました。


双子の母親に名前などいらないと冷たく言い放った以前のボナパルタは、まったく感情を見せず、感情なんてないようだった。けれども、(次回72話ネタバレ→)双子の母親を愛し、双子の兄妹を愛し、(←ここまでネタバレ)故郷のルーエンハイムで暮らすようになってから、ボナパルタは変わることができた。グリマーさんのように自分の中にもある人間らしい感情に気づくことができたから。
人間は感情をなくすことはできない。
このグリマーさんの言葉をあの中で一番身にしみて感じていたのがボナパルタだったのでしょう。


実験によって別の人格が現れ、暴力性を持った子供達はほとんどが自殺したそうですが、なぜグリマーさんだけは死を選ばなかったのか。そして、なぜ感情を取り戻すことができたのか。


第49話「一番残酷なこと」で孤児のミローシュにかけた言葉を、グリマーさんはそれまでにもずっと心に思っていたのだと思うのです。自分が生まれてきたのには意味がある。その思いがあるから、グリマーさんは511キンダーハイムのことをずっと調べ続けていたのでしょう。実験のことを明るみにしたいという気持ちもあるのでしょうが、自分自身のルーツを知りたいという思いがグリマーさんの原動力だったのではないかと。
そんな風に目的・希望を持っていたグリマーさんだから、ほとんど自殺したという子供達や、今「完全な自殺」をしようとしているヨハンと違って、虚無感に囚われることなく、自殺という選択をしなかったのでしょう。


感情を取り戻すことができたのは、やはり様々な人達との出会いがあったからでしょうね。
511キンダーハイム時代のココアの少年との約束(47話「悪夢の扉」)、別れた奥さんや死んだ子供の存在、自分自身の境遇と重ね合わせた孤児のミローシュとの出会い。
そして何よりも、憎むべき存在だったはずのペドロフさん(41話「511の亡霊」)やボナ博士の変化を目の当たりにしたことが大きな理由になると思います。
名前を奪い、感情を奪った彼らの行き着いた先は、実験で得ようとしていたものとはまったく相反するものだった。その事実が、グリマーさんを目覚めさせる要因にもなったのではないでしょうか。

[MONSTER]アニメ他 | 00:06:05 | コメント(5) | ▲TOP

ついに明かされたフランツ・ボナパルタの正体。511キンダーハイムを創り、怪物を生み出した恐ろしいはずの男はしかし、もうその面影を見ることはできない。

【あらすじ】
ヨハンから「ルーエンハイムで待っている」とのメールを受け取ったニナ。ヨハンに「完全な自殺」をさせないため、ルーエンハイムへ向かう決意をする。
一方、山の林道から町に進入したテンマは、生き残っている人々を助けるために奔走していた。刺客が放たれ、恐怖に包まれたルーエンハイムは、至る所に死体が転がる惨状の町と化していたのだった。
ルンゲとグリマーは町に銃をばら撒いた老夫婦を追及するが、不意にホテルのオーナーが口を開く。彼こそがフランツ・ボナパルタその人だったのだ。ここでただ審判が下りるのを待っていたと話すボナパルタに、グリマーは行き場のない怒りをぶつける。
ルンゲは殺戮を指揮している男を老夫婦から訊き出し、狙撃銃を手にホテル・ベルクバッハへと向かう。ビールをおごる約束をグリマーと交わして。

ああ。やっと大っぴらにボナパルタのことが語れます。ボナ博士ボナ博士!
ただし前から期待していた正体がわかるシーンは、思ったより肩透かしだったのが正直なところです。どうも原作時よりあっさりしているというか余韻がないというか。一応、効果音も付いていたけれど、即ディーターとエヴァのシーンに移ってしまい、いまいち盛り上がりに欠けていたような気がします。
ディーターとエヴァ、ニナのシーンと順序を入れ替えて、ボナ博士の正体発覚→MONSTERのタイトルが右下に浮かぶ→CM、という流れにしたほうがインパクトは強くなったのではないでしょうか。


ディーターとエヴァのミスマッチな組み合わせをアニメでも見ることができたのはよかったですけどね。好きですこのコンビ。


「目的は私なんだろう……その彼の目的は」
フランツ・ボナパルタの時は冷徹な声、クラウス・ポッペの時は穏やかな老紳士の声。
ボナパルタ役の野沢那智さんはこの変化をうまく演じ分けていましたが、正体を明かす時の台詞はボナパルタに戻ったように静かな暗い口調でした。
……温和なポッペさんも良いですが、冷淡なボナ博士の声が好きなので久々に聴けてうれしかったです。ハイ。


ヨハンがルーエンハイムでやろうとしていること。ニナの言う「完全な自殺」とは何か。
ルンゲ警部とグリマーさんが代弁してくれました。
その人間を知る者、その人間の過去を知る者、すべてを消し去れば、実在の人間は架空の人間になることができる。
下は、ヨハンが何を考え何をやろうとしているのかわかると言ったグリマーさんの言葉。
「私も架空の人間だ……」
「私は誰でもないんだ」
「ならば共に消え去ろう……。記憶を奪い、名前を奪い取った者と共に」


こうしてヨハンは、自分を生み出しすべてを奪い取ったボナパルタと、ボナパルタを知るルーエンハイムの人々の存在を消し去ろうとしているのです。赤いバラの屋敷の惨劇を、そして絵本の「なまえのないかいぶつ」のラストをそのまま再現するかのように。


審判が下りるのをここで待っていた、死ぬのは怖くないがどう償えばいいのかわからないと告白したボナパルタ。それを聞き、ボナパルタの胸倉をつかんで怒りのまま罪を問いただすグリマーさん。
グリマーさんの怒りは、彼が抱いて当然のもの。本当は殺してやりたいほど憎いだろうに(その“感情”だって自然に湧き出たものではなく人工的に作った見せかけのもの)、ボナパルタの罪を世の中に明らかにすることを選んだ彼は強い人です。


「人間は子供が死んだ時、心の底から悲しいと思わなければならない」と切々と語ったグリマーさんと、自らの罪を自覚し、悲しみに満ちた表情のボナパルタ。どちらの心情も理解できるから、より一層切ないシーンになっていました。
ボナパルタがヴィムにやさしいのも、実験対象だった子供達に対するせめてもの罪滅ぼしだったのでしょう。


けれども、このシーンでは重要な台詞がカットされてしまったのが残念。
グリマーさんの「あんたがやったことがどれほどの罪だったのか……!」に続く、「当時、西側の世界を破壊するために何を生み出したのか!! そんなちっぽけな陰謀のために……!!」という台詞。
旧秘密警察時代、ボナパルタはどんな目的で実験を行っていたのか。
物語の中であまり多くは語られていませんが、それを推測できるのが上記の台詞です。


おそらく実験は西側陣営を駆逐する計画の一環であり、実験で作り出した感情のない子供をグリマーさんのようにスパイにしたり、傑出した能力の子供を東側世界の指導者に仕立て上げようとする政治的・軍事的意図があったのでしょう。その中でもずば抜けた能力を持って生まれたのが、ヨハンとアンナの双子の兄妹だったのかもしれません。
ただボナパルタ個人にとっては西側・東側などには興味がなく、科学者としての好奇心や野心から始めたのではないかと思っています。


ライフルを抱え、意を決して部屋を出て行くラストのルンゲ警部は格好良かったです。重厚な音楽と磯部勉さんの低く響く声は否が応でも盛り上がるなぁ。グリマーさんと交わした約束も、ルンゲ警部らしくないところが逆にいい。


しかしソーセージ屋の女の子、何でグリマーさんがダメでロベルトがOKなんだろう…。
(前々回で、「最近いい人来ないの?」と聞いたグリマーさんを前にして「来ない来ない!」とグリマーさんを全否定している)

[MONSTER]アニメ他 | 21:23:26 | コメント(0) | ▲TOP

町の子供達にいじめられている少年に付け込むように銃を渡す老夫婦、町から連れ出してくれる素敵な人が現れたと喜ぶソーセージ屋の娘、大雨で交通が寸断され孤立状態となった町のあちこちで幾度も響き渡る銃声……。歯車が狂い、次第に状況が悪化していくルーエンハイムの様子が描かれた回。

【あらすじ】
ヨハンが「完全な自殺」を始めようとしているとニナから知らされたテンマは、ボナパルタの居場所を知るためにチェコのプラハへ赴く。そこではボナパルタの息子・リプスキーから、ドイツ系チェコ人のボナパルタの本名がクラウス・ポッペであり、故郷のドイツへ帰ったという情報を得る。さらに、ボナパルタが別の名で描いた絵本のタイトルが「Ruhenheim」(安らぎの家)だったことから、ボナパルタの故郷がルーエンハイムであることを突き止める。
そのルーエンハイムではすでに惨劇が始まっていた。この事態を予測していたルンゲとグリマーもなすすべがないまま、銃がばら撒かれ、銃声が鳴り響き、人が殺された。大雨で陸の孤島と化したこの町に、今テンマが向かう。

おいしいコケモモジャムを作ったコンラートさんの写真を老夫婦に見せるホテルのオーナー。そんな和やかなやりとりの一方、当のコンラートさんは血を流して死んでいた……。ルーエンハイムの殺戮が始まったことを告げる冒頭のシーンを、過剰な描写に頼らず淡々と描くところがいかにも「MONSTER」らしいです。


以下は原作のネタバレです↓↓↓
この死んだコンラートさんはボナ博士の数少ない友人だったそうで。チェコにいた頃は自分に心酔する人間はいても気心が知れた友人なんてほとんどいなかったと思われる博士にとっては、コンラートさんは大切な友人だったのでしょうね。ボナ博士はお茶とケーキが大好物(この言い方かわいい…)らしいから、ジャム作りの得意なコンラートさんと友達になったのも納得がいきます。二人とも甘党で気が合ったんだろうな…
↑↑↑ここまでネタバレです。


ルーエンハイムの街を見渡して、これから起きることを話し合うルンゲ警部とグリマーさん。前例として住民同士が殺し合い生存者が一人も残らなかった事件が二人によって語られます。「ニーダーザクセン州」「ツヴァイフェルシュタット」など固有名詞がもっともらしく聞こえるけれど、試しに検索しても大したヒットはないから、これは作者の創作した事件でしょうね。それでも、これからこの町でも起きる異常な事態にリアリティを与えるという点では効果的なエピソードだと言えます。


原作ではニナとテンマのシーンの後、姿を消したテンマを必死に探すディーターが描かれるのですが、残念ながらアニメではカットされていました。
以前の回で、チェコからドイツに戻ったニナとディーターをライヒワイン先生が迎えるシーンもアニメではカットされていたから、ディーターの関連シーンは二度も省かれたことに。チェコ編以降、出番が少ないとはいえ、OPにも出ているキャラなのにこの扱いはあんまり。「一緒にいてよ」と泣きながら言うディーターが見たかった…


今回、再び登場したリプスキーさん。以前は路上で人形劇を見せても人が集まらなかったけれど、ニナを模した女の子の人形劇ではお客さんをつかむことができたようです。
創作のためにバラの屋敷に通い、父親の絵本に似たタイプの人形劇にこだわっていた彼の傾向が変わったのはニナに出会ったことが一番の要因かもしれませんが、赤いバラの屋敷が焼け落ちて父親のボナパルタに囚われなくなったことも大きいような気がします。父親と自分を結ぶバラの屋敷がなくなっても何の感慨も湧かないことに気づいたリプスキーさんが、「あんなものいらないから」と父親からの絵葉書を簡単にルンゲ警部に譲ったこともそれの表れなのかもしれません。


以下は原作のネタバレです↓↓↓
ボナ博士がヘルムート・フォス名義で描いた「安らぎの家」。これはもう今の自分をそのまま描いたものでしょう。話の内容がよくなっても絵がだめになったというのは、双子の絵ばかりを描いていたのと同じで心が満たされないからでしょうね。


エンドロールのキャストのところが早くも「ポッペ(ボナパルタ)」に変わってた……! 当のアニメが堂々とバラしちゃってどうするの~! もちろん声でとっくにわかっている人もいるとは思うけれど、それでもちゃんとタメを作ってほしかったなぁ。ああもったいない。
↑↑↑ここまでネタバレです。


  • グリマーさんとソーセージ屋の娘が会話するシーンでは、彼女と並んだグリマーさんの背の高さにときめきました。女の子と一緒のシーンだと高身長が際立ちますね~。190以上は確実にあるんだろうな。それを考えると映画のキャストはデヴィッド・シューリス(この人も相当背が高い)にぜひやってもらいたい。鼻が大きいとこもそっくりなのです。
  • 突然絵本マニアのところに押しかけているテンマに笑ってしまったです。原作では紹介してもらって訪ねたことになってるけれど、アニメでは省かれたから「なんでテンマこんな怪しい人のとこにいきなりいるの?」ってなりかねないような。
[MONSTER]アニメ他 | 20:49:57 | コメント(0) | ▲TOP

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