実を言うと、去年日本語版の発売日に購入したものの、もう終わっちゃうんだなぁ…と思うとどうも読む気が起きず、そのまま最近まで放置していました。ダメなファンです。が、読み終えてしまえば、もっと早く読んでいればよかった!!と後悔。
やっぱりこの人について語らないでどーするの!ということで、スネイプ先生語りです。
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ハリポタは、ハリーの物語であると同時にスネイプ先生の物語でもあると痛感した最終巻でした。
もーなんというか……スネイプ先生格好良すぎでしょう……。メロメロですよ……。
以前、先生について、巻によって印象ががらりと変わる不思議なところのある人だと書いたことがあるんですが、むしろ先生の行動原理は変わらず一貫したものだったんですね。
彼にとってはリリーがすべて。今まで想像していた先生像よりも、ずっと一途で頑なで不器用で愚かで歪んでいて格好良い先生がさらに大好きになりました。あの33章が読めてほんとによかった。
あと、33章では大人スネイプ先生の一人称がおもに「私」だったこともうれしかったです。「我輩」先生もまあ嫌いじゃないんですが、やっぱり「私」のほうがしっくりきますね。映画での字幕と吹き替えはどうなるんだろう。
■スネイプ先生の最期
生きていてほしかったのですが、やはり死を回避することは叶いませんでした。それもアバダで死ぬのではなくナギニに首を噛まれるという何とも壮絶な最期。ただ7巻ではその時まで先生の出番があまりなかったので、そのあっけなさにも愕然としました。
でもって先生の最期の台詞。
日本語版だと「僕を……見て……くれ……」と一人称が突然変えられていて驚いたものの、その時は意味を深く考えず、33章を読んだ後にリリーに振り向いてほしかった想いが口に出たんだろうと思っていました。が、原文は"Look...at...me..."で、「私を……見ろ……」といったニュアンスみたいですね。
ハリーに記憶を託し、息絶えるその瞬間リリーと同じ緑の目を求めたスネイプ先生。どんな思いで息を引き取ったんでしょうね……。淡々とした描写で、でも色々と思いを馳せてしまうシーンです。
■スネイプ先生とリリー
リリーのことが好きだったのではと前から思っていましたが、実はエバンズ姉妹と幼なじみだったとは驚きました。ペチュニアがいつか言っていた「若造」とはジェームズじゃなくてセブルス少年のことだったんですね。
寮が分かれても「リリー」「セブ」と呼び合い、親友だった二人。リリーが魔法薬学を得意としていたのもスネイプ先生の影響が大きかったんでしょうか。5巻で暴れ箒に乗ろうとするセブルス少年のそばで笑っていた女の子もおそらくリリー。
そりゃあジェームズも嫉妬するはずです。5巻、セブルス少年に対して「こいつが存在するって事実そのものがね」と酷いことを言っていたのは、「リリーと親しい幼なじみの存在」が疎ましかったということなんでしょうね。
パトローナスが牝鹿というのも泣けてきます。リリーと過ごした時が一番の幸せな思い出だったという。
ハリーの前に牝鹿が出てきた時、まさかスネイプ先生のパトローナスじゃないよね、そんな(スネイプファンにとって)うまい話があるわけ…と思ったらほんとにうまい話でうれしかったなぁ。
ハリーに牝鹿を見せたのは、ハリーをグリフィンドールの剣へとおびき寄せるためのスネイプ先生のアイディアですよね。ハリーのリリーへの想いを汲み取っているからこそできたこと。好きなシーンです。
今まではずっとジェームズと先生のつながりのほうを考えていたわけですが、こうして33章を読むと先生の中ではリリーのほうが遥かに比重が大きいんですよね。
そこで気になったのが1巻のダンブルドアの言葉。スネイプ先生がハリーを助けたのは、昔ジェームズが先生を救ったことでできた借りを返すためとのことだったけれど、あれはむしろリリーとのことを伏せるために言ったことなんでしょう。例の最悪の記憶も、ジェームズたちにいじめられたからではなく、リリーと袂を分かつことになる決定的な言葉を吐いてしまったことが原因だったわけで。
ダンブルドアに従うのもハリーを守るのも、すべてはリリーへの想いと贖罪から。
蘇りの石で蘇った四人は現在のことも認識していたし、スネイプ先生の行動もリリーにちゃんと伝わっていますよね。ベールの向こうの世界でリリーと和解できたらいいなぁ。
■スネイプ先生とダンブルドア
この二人の関係も不思議なものがあります。
リリーの命だけを優先し、ジェームズとハリーはどうなってもいいという先生を一度は軽蔑していたダンブルドア。それでも後にはグリフィンドールにふさわしいと言えるほどの勇敢さを讃えるように。ダンブルドア亡き後のホグワーツも、校長になるのがスネイプ先生なら安心して任せられると信じていたようです。
マールヴォロ・ゴーントの指輪のやりとりは、暴走する上司とそれを心配する腹心の部下という関係で少し微笑ましくもありました。(呪文と魔法薬を駆使してダンブルドアを助け、必死に身を案じているスネイプ先生は素敵すぎる)
周囲を偽って真実の姿を見せなかった二人の孤独な一面を思うと、彼らだから築くことのできた信頼関係も少なからずあったのではないかと思います。
もちろんスネイプ先生からしてみれば、ダンブルドアを直接殺さなければならないなんてたまったものじゃないでしょう。6巻のあの殺害シーンでの憎悪と怒りの表情からそれは明らか。敬愛するダンブルドアであればこそ、殺害する役なんてやりたくなかっただろうし、ダンブルドアが自分には絶対に話してくれないことをハリーにだけ託していることに嫉妬したりもした。
利害関係ではあるんだけれど、先生はダンブルドアを偉大な魔法使いとして確かに慕っていたし、ダンブルドアも自らの最期を預けるのがスネイプ先生で良かったと心から思っていたと思います。
■スネイプ先生とハリー
二人が対立していたのをやきもきしながら見ていた立場としては、ハリーが先生を理解してくれるようになって本当によかったです。ようやく理解した時には既にもう先生はいないというのが悲しいですが…。
1巻から7巻まで読むと、自覚の有る無しにかかわらず、スネイプ先生はハリーの親代わりだったんだなとつくづく思いました。ジェームズが生きていたら普通に甘やかしていたと思うので(シリウスもそうですが)、厳格で頑固な父親の役割ですね。
ヴォルデモートを倒すにはハリー自身が犠牲を選択しなければならないと、そう明かしたダンブルドアに衝撃を受けるスネイプ先生。ダンブルドアに「あの子に情が移ったのか?」と問われ、ありえないというふうにリリーへの愛の証しである牝鹿のパトローナスを出すわけですが、私はやっぱりハリーに情が湧いていたのではないかと思います。
先生はリリーをずっと愛し続けた反面、リリー以外を愛してはいけないという縛りをも持っていたような気がするんですよね。さらにリリーのように純粋に好意を持って接してくれる人間はまずいないと決めつけている節がある。
リリーに道が分かれたと宣告された時点で、あるいは彼女とジェームズが結婚した時点で諦めてしまえば先生もいっそ楽になっただろうに、その執着の負の部分がそのままジェームズやハリーに向いていたような気がします。
その象徴がシリウスの部屋にあったポッター家の写真。ジェームズとハリーの写っているほうを破り捨て、リリーの写真だけを大切にしまったところなのかなと。
ジェームズとそっくりなハリーを憎みつつ、その緑の目にリリーを想う……。
ハリーの姿が先生にとってつらかったのは言うまでもありません。けれどもその最期に緑の目を見つめ、ダンブルドアに話せと命じられていた例の話の記憶だけでなく、リリーとの子供時代からの長い長い人生の記憶までも託したことに、ハリーへの愛情も感じるのです。
リリーをどんなに愛していたかハリーに知ってほしかったし、ハリーをどんな思いで守っていたかハリーにわかってほしかったのだと。
……甘いかな?
ハリーの次男の名前がアルバス・セブルスで、スネイプ先生をいちばん勇気のある人と言ってくれたのも先生が報われた気がしてとてもうれしかったです。ハリーありがとう。
でも生き残った先生がそのままホグワーツの校長か教授に残って、ハリーの息子の名前にデレるところも見たかった……。生きていたらなんて言ったんだろう?
ハリポタの面白さは一言じゃ言い表せないけれど、間違いなく言えるのは、スネイプ先生というキャラクターに1巻から7巻までずっと翻弄され続けるところでしょう。ほんとにこんなキャラ見たことない。毎巻毎巻、言動・行動・表情の裏にあるものを読み取ったり、考察したりして、それもまた楽しかったです。
こんな素敵なスネイプ先生を生み出してくれたローリングさんには感謝です。そしてできればスネイプ先生が登場する外伝も読んでみたい。というか書いてください~!
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最後に
セルブス純愛万歳!
勝手にコメ失礼しましたm(_ _)m
映画『死の秘宝』がついに公開されましたね~。私はまだ観ていないんですが、早くスネイプ先生に会いたいです。でも重要シーンはpart2にならないと拝めないかな?
最後に。スネイプ先生はセブルスですよ~。(訂正せずにはいられないファン)
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