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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (3)
私は原作3巻の「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」が4巻までで一番好きです。
映画アズカバンが公開され、9月1日には日本語版5巻「不死鳥の騎士団」が発売予定のこの次期に、あえて原作3巻の感想を書こうと思います。
5巻にはルーピン先生が再登場するらしいですし、彼に会えるまでに思い入れのある3巻を文章にしてみたいと思ったわけです。

↓↓↓以下は原作3巻のネタバレですので映画のみの方は
ご注意ください。
本を読む時に面白さが半減してしまいます。




*****************************




アズカバンの魅力といえば
やはりドラマチックなストーリーが挙げられます。
1巻から仕掛けてあった伏線の数々が見事に収束していく所などは
気持ちいいほど。

ハリー・ポッターは1冊のページ数が多く、出てくるエピソードも膨大です。
それでも個々のエピソードが無駄になることなく、意外なつながりを
見せながらパズルのピースのようにキチッとはまっていく様には
感動すら覚えます。
ハリポタはミステリーの形態を取っているのでそれが顕著に
現れていると言えるでしょう。
叫びの屋敷でのシリウスとルーピン先生の告白には誰もが
驚いたに違いありません。
そしてその明かされた真実によってこの話がただ単純な夢物語
などではなく、人間の愚かさや醜さ、弱さをも作者は描こうと
しているのだとわかります。

たとえば、ピーターが犯してしまった直接的な罪。
ヴォルデモートに付け入れられた弱さと、友人ジェームズを裏切った
彼の闇。

リーマスを疑い、結果的に親友ジェームズを死なせることになって
しまったシリウスの罪。
彼はアズカバンで後悔と憎しみだけを糧にして生きることに。

そしてジェームズの死により友人たちを一度に失ってしまったリーマス。
差別と孤独に立ち向かわなければならなかった彼の苦悩と葛藤は
想像を絶するものだったことでしょう。

親世代の悲劇は、彼らの幸せだったであろう学生生活が忍びの
地図などから伝わってくる分、さらなる悲劇性を増し、物語の中でも
非常に際立っています。

「ハリー・ポッター」は、意地悪な叔母夫婦に育てられ虐められた
少年が実は魔法使いで魔法世界のヒーローだった、そんなお約束の
物語をかたどってはいます。
しかし、その底辺には人間の不条理や残酷さ、やり切れなさと
いったものが流れ、そんなリアルな部分が子供だけでなく
大人にも読まれているのでしょう。


エピソードを個別に見てみても、アズカバンは魅力的なシーンが
他の巻と比べて凝縮されているように思います。
キーワードはずばり父親。
ハリーと亡き父親との絆、また父親の役割を果たす二人の人物との
関係が、他の巻にはない温かく切ない感動を生み出しています。


その一人、ルーピン先生はずっとハリーを支えてくれた人物です。
ディメンターが近づくと母の死の間際の声が聞こえてくると吐露した
ハリーを衝動的に抱きしめようとして、すぐに思い直したように手を
引っ込めたルーピン先生。
さらりとした描写ですが、真実を知った後で読むと彼の心情に切なくなります。

ルーピン先生がハリーにパトローナスの呪文を教えてくれるシーン。
ホグズミードに行けないハリーのためにバタービールを持ってきてくれた
ところは、先生の優しさに嬉しくなりました。

命が狙われているにもかかわらず、無茶な行動をするハリーを厳しく
たしなめるシーンは、先生がただハリーに甘いだけじゃないことが
わかって印象的なシーンです。
ダーズリーのように理不尽に怒鳴るのではなく、スネイプ先生のように
私怨で叱る(まあ、彼は彼なりにハリーを守っているとは思いますが、
あれじゃ子供は反発します(^^;)のでもなく、大人から公正に叱られた
ことはハリーにとって今まであまりなかったことではないでしょうか。
ハリーも普段優しい先生に叱られて素直に反省していたし、まさに
父親的存在としてルーピン先生を信頼していたことが伺えます。

最後の別れのシーンは哀しくて涙ぐんでしまいました。
ハリーが思い切って「先生は今までで最高の『闇の魔術に対する
防衛術』の先生です! 行かないでください」と訴えても先生は首を
振るだけ……。
もう先生ではないからと忍びの地図をハリーに渡し、ジェームズの
ことを語るルーピン先生は、幸せだった頃に想いを馳せているようでも
ありました。
「またいつかきっと会える」と言ってくれたルーピン先生の言葉、
信じていいんですよね!
ダンブルドアから逃げるように、ハリーにちらりと笑顔を見せて去って
いった先生に、彼の弱さと強さが汲み取れました。


もう一人、ハリーの名付け親であるシリウスとのシーンも少ないながらも
印象的。
例のプロポーズシーンは読んでいるこちらも嬉しかったですね。
毎度毎度の辛いダーズリー家のシーンに飽き飽きしていたので、
次の巻からはシリウスとの生活なんだ!とハリーと同じような気持ちに。
痩せこけたシリウスの笑顔の裏に、快活に笑っていた10年前の顔が
見えたというくだりは映像として見えてくるような名シーンです。

その淡い夢もつかの間、ディメンターに襲われるシリウスを助けるため
パトローナス呪文を唱えるハリー。
このシーン、ハリーの「シリウスと暮らすんだ」と必死な姿に胸が痛くなる
ばかりでした。
幸せな想い出がパトローナス呪文の鍵ですが、この時のハリーにとっては
クィディッチ優勝などではなくシリウスと暮らすことだけが思い浮かべられる
唯一のことだったんですよね。
ハリーがどれだけ親の存在を求めているかがわかるエピソードです。

タイムターナーによってシリウスを救うことができたハリー。
帰りのホグワーツ特急の中、豆ふくろうがシリウスからの手紙を運んで
来るシーン。
作品中いちばん胸が熱くなったシリウスサインの「ホグズミード許可証」。
これにはやられました。シリウスさん、本当に気が利くなあ。
ペットのいなくなったロンにも豆ふくろうをプレゼントしたりと幸せな気分が
漂う感動的なラストでした。


アズカバンではシリウスとルーピン先生、二人の台詞から彼らと友人
だったハリーの父親ジェームズの存在が浮かび上がります。
ハリーを守って死んだ父親、という記号的存在ではなく、ハリーたちと
同じように泣いたり笑ったりの学生生活を送ってきたリアルなキャラクター
だったことが作中のあちこちで見て取れます。

そんなジェームズとハリーの絆を示すシーンがあの湖での場面です。
未来から来た自分を過去ハリーは父親だと思い込むものの、結局は
それは間違いだったとわかります。
それでも自分のパトローナスがジェームズのアニメーガス姿と同じ
鹿であったことから、自分の中に間違いなく父親がいることを悟る
のです。

漠然と親を欲していたハリーが父親の確かな愛を受け止めるこの
シーンは、暗闇の中で光るパトローナスの姿と重なって、じんわりと
心に光が満ちていくようなそんな場面でした。


こうして原作をラストまで読み終えたあと、改めて表紙を見ると
ちゃんと「ムーニー・ワームテール・パッドフット・プロングズ」が
描かれていることに気付き驚くことでしょう。
輝く満月に手前の大きな鹿、今にも救い出されようとしているシリウスの
小さな影、左隅で様子を伺っているねずみの姿。
ハリポタの表紙は各国で違いますが、緑の色調で統一された
この日本語版がいちばん美しいと信じて疑いません。



長々と語ってしまいました(^^;
「アズカバンの囚人」はハリーが父親の友人たちと出会い、両親の死の
真相を知り大人へと成長する物語です。
ヴォルデモート卿復活へ話が大きく動いていく巻でもあり、
「ハリー・ポッター」の面白さが如何なく発揮された巻だと思います。
個人的に、両親の仇を取りたいと憎しみに駆られていたハリーが
真犯人を前にして行なった行為によって、5巻以降どんな影響を及ぼすのか楽しみです。


関連記事:
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 その1(ネタバレなし)

映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
DVD「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」感想 その1
[ハリー・ポッター]原作 | 20:54:00 | コメント(6) | ▲TOP
■ コメント

* 初めまして、きりはと申します。
ハリポタ関連の記事を探していてこちらに辿り着いたのですが、私も3巻が一番好きなんで、つい嬉しくなって書き込みさせて頂きました(^^ゞ
どの巻も面白いけれど、その中でも特に、個人的に3巻が一番感動が大きいような気がしています。
要は、私がルーピン先生好きだからなのかもしれませんけど(笑)
来月発売の5巻では彼も再登場してくれるのですよね。原書を読んでいないので、どれくらい出てきてくれるのかハラハラしてます(^^ゞ

ところで思わずトラックバックさせて頂きましたが、よく考えるとウチの記事は映画のことオンリーでした。もしご都合が悪ければ、遠慮なく削除なさってくださいませ(;^_^A
ではでは、突然失礼いたしました。
2004-11-27 土 21:17:14 | URL | きりは [ 編集]

* きりはさん、はじめまして!
コメント&トラバありがとうございます。
3巻には思い入れがありすぎて無駄に長い文になってしまった気が…(^^;
3巻が特別なのは確かにルーピン先生初登場の巻ということも
あるでしょうね。
先生が醸し出すあの雰囲気は他の巻では味わえませんし。
5巻ではどうなるのか本当に楽しみです。

トラックバックですが、映画オンリーでも全然かまいませんよー。
こちらでも映画アズカバンの記事が一応ありますし、
むしろよろしくお願いします(^o^)
2004-11-27 土 21:17:55 | URL | どんぐり [ 編集]

* ウチにもトラックバックして頂き、どうもありがとうございましたvv
今更ですが、一度目と二度目の映画感想も拝読いたしました(内容的にこちらにトラバすべきでしたね/汗)
本当にルーピン先生がお好きなんだな~ってことが伝わってきつつ、私もほぼ同意見だったのが嬉しいです(笑)

そう言えば、映画ではシリウスたちが互いにスパイだと疑っていたことも出てきませんでしたね。全てが明るみになって和解するシーンも素敵なのに、勿体無いです~……。
実はウチの映画感想は、原作読み直さずにうろ覚え状態で書いたのでかなりアヤシイのですが、こちらの記事を拝見して「そうそう、そうだったわv」とリアルに思い出せました。ありがとうございますvv
また5巻発売までに読んで(勉強して/笑)みようと思っています(^^)
2004-11-27 土 21:18:30 | URL | きりは [ 編集]

* 親世代の壮絶な背景が映画ではまったく出ていませんでしたからね~。
あの役者さんたちならすごいことになっていたでしょうに…。
もったいないですよねーやっぱり。

あ、あと、きりはさんのブログでは映画アズカバンがメインだったので
映画の記事のほうをトラックバックしたつもりだったんですが、間違って
原作記事をトラバしてしまいました(汗)
映画の記事を再度トラバさせていただきますね。
本当にすみません(汗)
2004-11-27 土 21:19:08 | URL | どんぐり [ 編集]

* ルーピン先生新刊で出ているのですか?
それはいい。楽しみが増えた。

3巻が好きなのは魅力的な大人のキャラが出てきたからかも。
それまでは大人はハリー達を助けつつも静観というスタンスが大きかった気がするのです。
ハグリットは割りと絡んでますが。
内面に人に言えないものを抱えていて、なおかつ存在感のある大人。
こうしたキャラが出てきた事が魅かれる理由ではないかなと。
シリウスのかっこよさ、ルーピン先生のナードな感じが好きですね。
2004-11-27 土 21:20:13 | URL | rockanddance [ 編集]

* >rockanddanceさん
ルーピン先生出てきますよ~。
5巻では先生だけでなく色々なキャラが再登場するのでお楽しみに。

他の巻と比べて3巻が抜群に面白いのは、魅力的な大人が
登場したからというrockanddanceさんの意見には同感です。
1巻から出ている大人キャラの先生たちももちろん好きですが、
今まではあくまで子供側の狭い視点の中での話でした。
しかし3巻に来てハリーの父親世代の物語も深く描かれ、
大人の視点で読んでいる自分にとっては、
シリウスやルーピン先生の存在は今までのハリポタ観を
ひっくり返されるほどの衝撃でしたね。
2004-11-27 土 21:20:54 | URL | どんぐり [ 編集]
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